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初めてのチュウは部長がいいです 6話

「冷たい!私よりも約束なの?」 「当たり前だー、先に約束したのは向こうだからな」 西島のイライラが伝わったのか、 「ごめん、もうちょっと付き合ってよ」 と女性は謝る。 「10時には何があっても帰るからな!」 不機嫌そうに西島は返事をする。 とにかく、早く帰りたい。 ◆◆◆◆◆◆◆ クチュっと、唾液の音と荒い息遣いが部屋中に響いている。 「はあ‥‥‥んっ‥‥‥」 ベッドに裸で横たわる斉藤は荒い息遣いで佐々木とキスを繰り返す。 女の子のキスよりも興奮している斉藤。 男もイケるんだなって、自分でも感心するほどだ、なんせ、股間が熱い。 昼間にされた行為を覚えているからかも知れない。 「ささ‥‥き、部長‥‥下も触ってください」 キスの合間にそんなおねだりも、出来るんだなって、斉藤は言葉にはしないが考えていた。 「だな、先走りしてる」 佐々木は斉藤の股間に手を伸ばす。 ギンギンに立ち上がっている斉藤のイチモツ。 先からは透明な液体が垂れている。 「斉藤くん、マジでいいの?このままだったら、俺に掘られちゃうし、初めての相手が俺になるよ?」 佐々木は斉藤のイチモツを掴むと上下に動かす。 「あ、‥‥‥くっ、もっと」 斉藤は佐々木の首すじに抱きつく。 「痛くしないならいいです」 佐々木の耳元でそう答えるけど斉藤。 「了解」 佐々木は斉藤のイチモツを咥えるべく、股間へ顔を持っていく。 ◆◆◆◆◆◆◆ 部長、遅いなあ‥‥‥ 碧は時計を気にする。 料理はとっくに冷め、まあ、温め直せばいいのだが碧の気持ちはしょんぼりと萎んでいた。 こんなに時間がかかるなんて思っていなかったのだ。 時計は10時になるところ。 携帯に連絡あるかな?なんて何度もチェックした碧。でも、残念ながら西島から連絡はない。 「にゃーん」 元気がない碧に諭吉がすり寄る。 「諭吉、どうしたの?お腹空いた?」 諭吉にはご飯を先に与えていたが、碧はまだ食べていない。 諭吉はキッチンからリビングへと歩いていくと、ソファーに乗る。そして、碧に方を振り返り、また鳴く。 碧はずっと、キッチンにある椅子に座っていて、テレビもつけていないから静かだった。 「なに?」 碧は諭吉に呼ばれるようにリビングへと行く。すると、諭吉は前足でテレビのリモコンを押して、点けた。 「テレビ見たいの?」 諭吉は尻尾をフサフサ揺らす。 「うん、一緒に見ようか」 ニコっと諭吉に笑いかけ、ソファーに座る。 諭吉のおかげで少し元気が出た碧は諭吉を膝に乗せてテレビに見入る。 ドラマが流れていて、中々、面白い。 「西島さん」 ヒロインが名前を呼ぶ。ドキッとした。 相手の名前は西島と同じ。 西島と呼ばれる役を演じている俳優は碧が好きな俳優でさらにドキッとした。 話が進むと次第に内容がエロくなってきて、なんと‥‥‥キスシーン。 「西島さん、好きです」 「俺も」 そんな流れ。 碧はつい、自分と西島を重ね、顔が熱くなる。 「諭吉、ドキドキするね。この俳優さん、部長に似てるよね‥‥‥キスとか‥‥‥‥部長と」 そう呟き、さらに顔が熱くなる。 きゃー!僕ってば!キスとか、キスとかー! 「初めてのチュウは部長がいいなあ。」 つい、本音。 画面の中のラブシーンは激しくなりディープキス。 そして、ベッドシーンへ。 抱き合う2人。 うひゃー!ぶ、部長と‥‥‥ こんな?こんなこと? ま、まだキスだけでいいもん。 「キス‥‥‥‥部長とキスってどんな感じかな?」 なんて想像して、ソファーで悶える碧。 ◆◆◆◆◆◆ くそ! 西島は腕時計を何度も見ながら外を猛ダッシュしていた。 10時には出るつもりだった。なのに! 送るよと女性に言われたが、逃げるように外へと出てタクシーを捕まえるべく走っていたのだ。 ようやく捕まえたタクシーの中で碧にれんらくをしようと携帯を取り出す。 11時半。 子供な碧は寝ているかも知れない。 こんなに待たせてしまった。 ご飯を先に食べていて欲しいが待っていて欲しい気もする。 なんて、ワガママを考えて頭を振る。 とにかく、謝らなきゃ! マンションへ着くとエレベータさえももどかしい。 そして、ようやく部屋へ着いた。 スペアキーで開けると玄関に走ってくる足音が聞こえ、西島はニヤケでしまった。 碧は起きて待っていてくれた。 ニヤニヤは止まらない。

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