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初めてのチュウは部長がいいです 5話
悶えながら碧は浴室の掃除をする。
掃除をしながら考えたのは、
「な、なんか新婚さんっぽくない?」
だった。
掃除をする碧をじっと見つめる諭吉に顔を赤らめて言う。
「ほら、新婚さんがいう台詞ってあるじゃない?何だっけ?あ、おかえりなさい。ご飯にする?お風呂にする?だっけ?」
そう、新婚さんみたい。
碧は掃除しながらニヤニヤ。
お風呂にする?の後は何て言うんだっけ?
なんて、暫く考えて思い出す。
それとも私?だ!
うん?どんな意味かな?
また、考え‥‥‥‥結論に達した。
きゃー!エッチな意味だ!
奥さんが旦那さんを誘う言葉だと理解した碧はさらに悶える。
ぼ、僕はなんてエッチなんだ!
ぶ、部長と‥‥‥‥‥
エッチな‥‥‥
部長と、‥‥‥‥‥キスとか、‥‥‥したいかも。
そして、その先も。
佐々木が持ってきたAVを思い出す。
胸がドキドキしてきた。
キュンとも鳴り出す。
「諭吉‥‥‥ぼく、変だよ。おとこの人とキスしたいとか‥‥‥エッチなこと‥‥‥部長に嫌われちゃう」
こんなエッチな自分がバレたら嫌われちゃうかな?
でも、走り出した気持ちは止まらない。
◆◆◆◆◆◆
「あん‥‥‥あっ、」
よがり声が部屋中に響く。
画面を食い入るように見る斉藤と佐々木。
画面には碧に似た女優が喘いでいる。
佐々木の部屋でAV鑑賞中である。
「斉藤くん、いい具合に勃起してるね」
佐々木の手が股間へと置かれた。
「そりゃ勃起するでしょ?エロいの見ているんだから」
「じゃあ、ゲイビ見ても勃起するかな?」
佐々木はニヤリッと笑いデッキの中身をゲイ物に交換すると再生させた。
外国モノで金髪碧眼の美少年が映され、これまた美形の中年男が映る。
「へえ、綺麗な子が出てるんですね」
斉藤は嫌がる事となく画面を見ている。
「だろ?凄いぜ?」
佐々木が言う凄いの意味は中盤になり理解した。
美少年が中年男に監禁され犯されている。
しかも、途中から数人の男達が代わる代わる美少年をおかしているのだ。
「佐々木部長の趣味ですか?」
「純真無垢な美少年を犯すってドキドキするぞ?碧ちゃんみたいな子とかね」
「マジっすか?ウチの会社大丈夫ですか?佐々木さんが部長とか?」
斉藤はいたずらっぽく笑う。
「仕事出来れば性癖は関係ないぞ」
佐々木はそう言うと斉藤をその場に押し倒した。
両手を直ぐに拘束される斉藤。
「気持ちいいことしようか?」
「美少年を犯すの好きですもんね?俺は純真無垢じゃないですよ」
「知ってる。ちょっと、ビッチな斉藤くんだもんね」
佐々木は斉藤を見下ろす。
「男、経験してみたいです」
「さすが斉藤くん。初めては西島じゃなくていいの?」
「数こなして、西島部長を抱きたいですもん」
「いいね。やっぱり君はエロい」
佐々木は微笑むと、斉藤にキスをする。
◆◆◆◆◆◆
「えへへ、完璧!」
碧はお風呂掃除を終え、バスタブにお湯をはる。
お仕事終わって疲れているから直ぐにお風呂入れるようにした方がいいよね?
なんて、碧は考える。
そして、次も一緒にお風呂入る約束をしていたのを思い出す。
誘われたら、どうしよう。
もう鼻血出さないようにしなきゃ!
でも、そんな自信ない。あんなにカッコいい人の裸を目の前にしたら冷静じゃいられないもん。
それに、好きな人だもん。
好きな人‥‥‥‥‥‥
その言葉を脳裏に浮かべただけで碧は鼻血が出そうなくらいに興奮しそうだ。
「お、お風呂はこれくらいにしとく」
これ以上、ここに居たら西島の裸体しか思い出さないので浴室を出る碧。
き、気分を変えなきゃ!
「あ、そうだ!公園に行かなきゃ!」
碧は公園の猫達の餌を手に、部屋を出た。
「にゃー」
諭吉も後から付いてくる。
「諭吉、公園の猫達に会うよ?仲良くしてね」
諭吉は碧の真横を歩く。
公園に着くと直ぐに猫達が擦り寄ってくる。
まずは彼らにご飯をあげて、にゃんこを捜す。
今日は部長は遅いかも知れないから、僕がにゃんこにご飯あげなきゃ。
そう、考えながら碧は、「にゃ、にゃんこ!」と名前を呼ぶ。
暫くは無反応。
心配をしていると、微かにニャーと聞こえ、にゃんこが姿を現した。
「にゃんこ!」
碧は名前を呼ぶと、お皿にご飯を入れて離れた場所に置く。
フンフンと鼻を鳴らし、にゃんこはモソモソとご飯を食べ始める。
「にゃんこに触りたいなあ。」
他の猫達は抱っこも出来るけど、やはりにゃんこも触りたい。
でも、怖がっているのを知っているから黙って遠くから見ているだけ。
ご飯を食べ終わるまで碧は眺めていた。
「にゃー」
にゃんこは鳴くと、奥へと引っ込んだ。
「お休みにゃんこ」
碧は他の猫達にも挨拶をすると、また西島の部屋へと帰る。
明日は部長と一緒にご飯あげに行きたいなあ。
そんな事を考えるだけでも碧は嬉しくなるのだ。
◆◆◆◆◆◆
やばい‥‥‥‥
確実にヤバイ。
西島は時計を何度も見ている。
早く帰るつもりだったのに、予定は未定という言葉を実感中。
既に9時半。
佐藤‥‥‥‥待ってるだろうな。
大丈夫かな?あの子、結構、いや、かなり危なっかしいからな。
でも、諭吉がついているから。
小さい子にお留守番させているパパの心境に近い。
「ちーちゃん、時間気にしまくりだけど?」
西島の真横に座る女性が小声で西島に話しかける。
「約束あるっていっただろ!」
西島も小声で返す。
高そうなレストラン、西島はかなり帰りたかった。
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