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初めてのチュウは部長がいいです 4話
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西島の部屋の前、碧はポケットから鍵を出す。
鍵を見ただけでニヤニヤが止まらない。
鍵を預けるって事は信用されている証拠だし、少なからずは碧を気にいってくれている。そう考えただけでニヤニヤが止まらないのだ。
ドアに鍵を差し込み、開ける。
にゃー
開けると直ぐに諭吉がいて、ちょこんと座って碧を見ている。
「ただいま諭吉。えへへ、今日はね、僕が先に戻って来たんだよ。鍵を部長から預かったの」
碧は嬉しそうに鍵を諭吉に見せた。
クンクンを臭いを嗅ぐように諭吉が鼻を動かす。
靴を脱いで、「お邪魔します」と部屋へ上がる。
「諭吉おいで」
諭吉とキッチンへ行き、食材を袋から取り出すと、
「諭吉聞いて!今日はね、僕がご飯を作って部長の帰りを待つんだよ!凄くない?」
諭吉に話掛ける。
「でね、肉ジャガを作るんだあ」
碧は嬉しそうに笑いながら食材を一つ一つ、諭吉に見せている。
クンクンと臭いを嗅ぐ諭吉。
「諭吉にもマグロ買ったよ」
ガサっと袋からマグロが入ったパックを取り出すと諭吉の目がキラリと光った。
「マグロぅ」
パックに飛び付こうと跳ねる諭吉。
「あ、ダメ!これは晩ご飯だよ!部長が帰るまで待つの!」
碧はパックを高く上げ、素早く冷蔵庫へと入れた。
「ちゃんと良い子にしなきゃダメだよ諭吉」
碧はマグロぅ、と鳴く諭吉を置いて着替えに行く。
美味く作れるかな?
碧は着替えながらも頭の中は料理の事でいっぱいだった。
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「西島」
神林に呼ばれ、振り向く西島。
「プレゼント」
そう言って手のひらに乗せられた物を見て、西島はぎょっとなる。
「早く帰ってやれよ、碧ちゃん待たせてんだから」
ニヤニヤ笑う神林。
人に会う約束をしていた西島は神林に車で送って貰っていた。
降りる瞬間に呼び止められたのだ。
「おま、何だよコレは!」
手のひらにの物に顔を赤くしながら怒っている。
「避妊具。男同士でもちゃんとゴム使わなきゃ。特に碧ちゃんは初めてだろ?」
その言葉に西島はさらに顔を真っ赤にする。
「ば、なにいって!」
「必要だろ?」
神林がくれたものはコンドーム。
「まだ、そんな‥‥‥佐藤は」
「はいはい、子供なんだろ?でも、セックスは知ってるよ碧ちゃんでも。誰かに食われる前に印つけておけよ。」
神林はそう言うと車のドアを閉めた。
反論出来ずに西島は1人取り残される。
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「あつ、」
碧はうっかりと鍋を触ってしまい声を上げた。
「にゃおん」
碧の声に諭吉が足元に擦り寄る。
「えへへ、大丈夫だよ。僕、不器用だからなあ。部長みたいに器用になりたいな」
心配そうに自分を見上げる諭吉に微笑む。
「さあ、頑張らなくちゃ!部長に美味しいって言われたいもん」
碧は気を取り直し、料理を再開する。
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「斉藤くん」
会社から出ると直ぐに佐々木に呼び止められた斉藤。
「お疲れ様です」
「はい。お疲れ様、ねえ、今日は何か用事ある?」
「とりあえず、ないですけど?」
斉藤がそう返事すると、
「じゃあ、大人の勉強しにウチにこない?」
佐々木はニコッと笑う。
大人の勉強。
それが何か直ぐに分かった斉藤は少し考えて、
「いいですよ」
と答えた。
「さすが斉藤くん」
佐々木は斉藤の肩を叩く。
そして、2人で歩き出す。
◆◆◆◆◆
「できたーっ!」
キッチンで碧は歓喜の声をあげる。
多少、火傷を負ったが料理は完成した。後は西島を待つだけ。
部長、美味しいって言ってくれるかな?
碧は出来上がった料理を見ながらドキドキしていた。
部長、何時に帰るのかな?
時計をチラチラ気にする碧。
早く食べて欲しいと思うのと、会いたい気持ちが同時にきたのだ。
好きな人の帰りを待つっていいなあ。
「諭吉、部長は美味しいって言うかな?あ、お風呂とか用意しなきゃ」
碧はお風呂掃除をしに浴室へと行く。
浴室へ諭吉もついてきた。
浴室のドアを開けると昨夜の西島の裸を思い出した。
きゃー!
僕、興奮して鼻血出したんだった!
急に恥ずかしさを思い出した碧である。
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