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ホットミルクに蜂蜜 5話
◆◆◆◆◆◆◆◆
温かい腕の中、碧は目を覚ます。
目を開けると西島の寝顔のドアップ。
腕枕されたままにいつの間にか眠っていたみたいだ。
キスをしていたのに……
碧は西島を見つめる。
本当かな?
まだ、少し信じられないでいた碧。
だって、こんなに素敵な人が僕を好きとか……
だって、だって、部長のファンは多いよ?
斉藤くんだってカッコイイって……
あっ、斉藤くん……誰とエッチな事してたのかな?
碧は斉藤の事を思い出した。
きもちいいって……斉藤くん言ってた。
うん、きもちいいの分かる。僕も気持ち良かったもん。
お、大人のキス………
西島とのキスを思い出し顔が熱くなる。
ドキドキ。するよ!
碧はそっと、ベッドを抜け出しキッチンへ。
飲み掛けのミルクを見つけた。
冷たくなっている甘いミルク。
1口飲む。
ヤッパリ甘いよ。
もう、1口飲むと、後ろからぎゅっと抱きしめられた。
「ミルク、温め直してあげるよ」
西島の声が耳元で聞こえた。
ぶ、部長、起きて……
「あ、あの、起こしちゃいました?」
抱きしめられたまま、そう聞いた。
「起きてたよ。碧がどこ行くのかな?って心配になった」
碧………
名前を呼ばれてくすぐったい気持ちになる。
「喉、乾いて」
「そっか、俺も乾いたかも」
「じゃあ、飲みます?」
「少し増やそうか、おいで」
碧からカップを貰い、彼の手を握り冷蔵庫へ。
手をぎゅっとか……
えへへ、恋人みたいです。
あ、恋人だった………
恋人……わあー!恋人なんだ僕。
部長の……ちひろさんの恋人なんだ!
な、夏姉ちゃん、僕、ちひろさんの恋人だよ。
明日、夏姉ちゃんといっぱい話そう。
碧は改めて実感すると幸せな気持ちが胸をキュンキュンとさせる。
カップにミルクをそそいで、そのままレンジで温めてくれる西島が碧の恋人。
倒れるくらいに嬉しい。
◆◆◆◆
や、やばい……
そうだ碧はバスローブだけだ。
西島は碧がベッドから抜け出したのでどうしたのかと後を追った。
喉が乾いていたみたいでミルクを飲んでいた。
その姿はバスローブ一枚で下は裸……
そう、お風呂からバスローブだけで連れ出したんだ。
西島はかろうじて下着だけは穿いているが自分もバスローブ。
碧はノーパンなのだ。
理性が保てるかな?
温めたミルクを手にソファーに一緒に座る。
碧がさきに飲んで、西島にはい。とカップを差し出す。
あー、もう可愛い!
「碧が飲ませて……」
う、俺、何言ってんだ!
自分が言った事に狼狽えていると、碧も同じようにドギマギしている。
ほら、困っているだろ、俺のアホ!
自分突っ込みをしていると、
「あ、あの、それってく、口移しですか?」
真っ赤な顔をして聞く碧。
く ち う つ し ………
さっきまでキスをしていたくせに、その言葉に反応してしまう西島だった。
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