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部長が運命の人ですか? 3話
どうしよう、夢の内容を話したら部長にエッチだと思われちゃうよ!
僕のばかあ!どうして西島部長の名前を呼ぶの!
「ぼ、ぼく、具合悪くなったから、ね、寝ます!」
テンパる碧はそう言ってシーツの中に潜った。
絶対に言えない!
部長とはだ、はだかで……………
いやあ~僕のばかばか!
めちゃくちゃ恥ずかしい!
顔から火が出そうだ。
夢の中の西島は優しく碧に愛撫してきて、碧もその愛撫を受け入れていた。
それを思い出すのだ。
なんで、あんなエッチな夢?
碧は悶え死にそうだった。
そんな照れ隠しな嘘を素直に信じる西島はかなり焦っていた。
「佐藤、どんな具合なんだ?吐きそうか?それとも熱が」
もちろん返事はない。
それが西島をさらに焦らせる。
ど、どうしよう。神林は帰ってしまったし。
熱を計らなきゃ駄目かな?
アタフタしながら体温計を捜す。
あれ?昨日使ってからどうしたっけ?
かなり動揺していると自分でも分かっている。
ああ、もう神林にどうしたら良いか聞こう。
西島は携帯を持って寝室を出る。
シーツの中の碧もまたテンパっていた。
夢の内容は言えない。
だって嫌われちゃう。
部長に嫌われたら……………それだけで不安になり、泣きそうになる。
僕は………わかんない。
なんで、嫌われたくないんだろう?
なんで、エッチな夢みたんだろう?
西島に愛撫されて夢の中では嬉しかった。
もっとされたいって、 昼間みた、アダルトみたいな事されたいと思ってしまった。
それを自覚してしまったら、一気に顔が熱くなって、 下の方がジンジンしてきた。
えっ?と思った。
僕のおちんちん、何か変………
コソッと下着の上から触ってみた。
熱くて、硬い。
えっ?
僕………凄く恥ずかしくなった。 やっぱり僕はエッチな子だ。
その現象が何を意味するか碧だって知っている。
友達に聞いたし、アダルトの男優のおちんちんがそうだったし、 下着の上から確認しながら、 碧は泣きそうだった。
西島には知られたくない。
どーしよ、僕が変態だって思われちゃう!
碧は焦る。
でも、どうしてこんな……、 勃起する理由はひとつだけ。
西島の裸と夢でされた行為に反応してしまったから。
どうして、あんな夢みたんだろう?
それに夢でされた感触がリアルで、自分の中に何か侵入してきた。
何だったのかな?
僕は、部長にエッチな事されたいって思ってるの?
自分に聞いてみる。
でも、良く分からない。憧れているけど、良く分からない。
ただ、言える事は嫌じゃなかった事。
*****
「碧ちゃんの具合が悪くなった?さっきは元気だったぞ」
電話をして事情を話す西島へ、そう返す神林。
「でも、子供は良く熱出すし、具合悪いって本人が言ってるんだよ」
必死に訴える西島。
「あ~あれじゃない?体調悪い時って、誰かに甘えたいだろ?碧ちゃん一人暮らしだし、西島に甘えているんだよ」
「えっ、えっー~」
予想外の返答に西島は変な声を出す。
そうなのか?甘えているのか?
なんて考える西島も、子供の頃、熱を出したら親がいつも以上に優しくなるから甘えていた。
それを思い出すと、なんとなく納得してしまう自分がいる。
「碧ちゃん寂しいんだよ、甘えさせてやれよ」
「ぐ、具体的にどんな?」
西島にはどうすれば良いのか分からない。
真剣に悩んでしまう。
「そだな、抱っこしてあやしてやるとか、添い寝するとか」
「神林!真面目に答えてくれ!佐藤は赤ちゃんじゃない」
「あまり変わらないだろ?碧ちゃんは赤ちゃん肌だし、可愛いし」
もしかして神林は自分をからかっているのだろうか?
「添い寝とか却下!」
「あとは、碧ちゃんに聞けよ、忙しいから切るぞ」
「えっ、まて!」
西島の願いも虚しく、電話からは回線を切られた音が物悲しく聞こえていた。
どうすりゃ、いいんだ!
西島は座り込み悩む。
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