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第221話Dependence

ハルが部屋を出てからまだ5分と経っていないけれど、体感的にはもう何時間も放置されている気分だった。 中で蠢くものは容赦なく俺のことを責める。手を塞がれているわけではないから、中に入っているものを抜こうと思えばいつだって抜けるはずだ。 けれどそうしないのは何故なのか自分でもわからない。ただハルに逆らうのが怖いからなのか、それとも… 自分で考えてもよく分からないまま、体を痙攣させては声を上げて何度も達してしまった。もう何度目かも分からなくなってきた頃に、ようやく部屋の扉が開く。 「ただいま。偉いね、ちゃんと入れたままにしてたんだ」 頭を優しく撫でる手の感触すら官能的な刺激として受け取ってしまう。 「イけた?」 「んっ…んん、あ、止め…て」 「質問に答えて。何回イッた?」 「そんな、わかんな…いっ、あっ…」 尻尾を引き抜かれてまた奥に挿される。本当に何回イッたかなんて数えていないし分からないのだから答えようがないのに、早く答えろと言わんばかりにハルは俺を追い込んでいった。 「答えられないならもう一回しようか?」 「こたえ、る…こたえるから…っ」 「ん、どうぞ」 「…っご、かい…くらい」 本当にそうだったか定かではない。ただ変にゼロと嘘をつくよりはマシだと思った。 口の端を上げたハルは未だにその手を止めない。 「本当は七回でしょ」 「な…んで、お前がそんな…」 「何でだろうね?ていうかお前とか言っちゃダメでしょ」 「んっ…ごめ、なさ…い、」 逃げようと身をよじってもベッドに繋がれたままだから逃げられない。 「こら、逃げないの」 「や…ぁ…もう、いや…だ…っまた、いっ…!」 ビクンと体が仰け反ってまた気をやってしまった。それでも振動が止む兆しは無く、快感で頭がおかしくなりそうだ。リングの嵌められているそこも限界などとうに超えていて、ただ先走りだけが溢れ出ていた。 「ちゃんと数えてなきゃダメでしょ。今何回目だったの?」 「そ…んな、いや、だ…あっ」 「ワガママ言うのは良くないな。ほら、自分が今何回イッたのか言ってごらん」 「…は、ちかい…」 ハルがさっき七と言っていたのだからこう答えるのが妥当なのだろうけれど確かなことは分からない。そもそも自分がそんなに何度も絶頂を迎えているという事実を口にすることは辱め以外の何物でもなかった。 「ちゃんと八回何したのかまで言って」 「は、はっかい…いき、ました」 「八回も中でイッちゃったんだね、じゃああと二回頑張ろうか」 あと二回という言葉に絶望すると同時に、ベッドに乗り上げたハルが俺の体を抱きしめる。 嫌なはずなのに、ハルに抱きしめられると妙に別の方へ意識が行ってしまう。今の俺は、こんなことをされてもまだハルのことが好きなんだ。 「手伝ってあげるから、イッていいよ」 「ひっ…あ、あぁっ!い、く…っん」 ハルの腕の中で、抱きしめられる心地良さを感じたままビクビクと痙攣する。 あと一回と耳元で囁かれ、ハルの手は胸元を撫でるように這っていった。 「ここ、触ってないのに硬くなってんの?触って欲しかった?」 胸の先端を指先で弄びながらピンと弾かれ、またそれに呼応して嬌声があがった。 「こうやって優しく触られるより、ちょっと痛くされるの好きでしょ?」 「いっ…あ、やめ…」 指で強く摘まれて、痛みとともに快感が訪れた。ハルの言う通りにそこは痛みを甘美な刺激に変えていく。 中の刺激と相まって、十回目の絶頂も難なく迎えてしまった。 ハルの胸にしがみついて浅い呼吸を繰り返す。中のディルドが引き抜かれ、ハルの手が襟足に触れて優しく頭を撫でていった。 「よしよし、よく頑張ったね」 その優しい声色にすっかり安心してしまい、何故仕置きを受けているのかも忘れてハルの胸に擦り寄る。 「だからもう少し頑張ろうね、ワンちゃん」 「そんな…はる、もうやめ…」 「何言ってんの、犬に決定権なんてないよ。俺の欲しいんでしょ?ちゃんとオネダリして」 ハルの腕から離されてベッドの上に四つん這いにさせられ、ハルを求める〝オネダリ〟をするよう強いられた。 これ以上中を刺激されたら自分がどうなるのかも分からないし、リングの嵌められたところが苦しくて仕方がない。 「ご主人様の下さいってちゃんと言いな」 「…ご、しゅじん、さまの…ください」 今更無駄な抵抗をしても意味が無いと分かったから、素直にその恥ずかしい言葉を口にする。 「どこにほしい?」 「どこって…そ、んな」 「言ってくれなきゃ分からないなぁ」 ズボン越しにハルのものが擦り付けられるように密着され、吐息のかけられた耳は赤くなっていった。 「こ、こに…」 「ここって?」 「中に、くださ…い」 「中ってここ?」 わざとらしく口の中に指を突っ込まれ、舌を撫でられると唾液が溢れる。 ハルの吐息がまた耳にかかって、擽るように小さく囁かれた。 「お尻にご主人様のおちんちん入れてくださいってちゃんと言おうね?」 「そんなの…言えな…」 「言えないじゃなくて言うんだよ」 口を開いてもそんな言葉言えるはずがなく、言わずにいる俺の耳をハルが口に含んで舐め始めた。 「ひゃ…っん」 「言えないなら朝までバイブ突っ込んでイキっぱなしにでもしておこうか?」 「そ、れは、嫌だ…」 朝まであれをまた突っ込まれることと比べたら、恥ずかしい言葉を口にすることの方がマシに思えた。それくらいに追い詰められていたのだと思うと自分でも驚きだ。 「どうするの?ワンちゃん」 「…おしりに、ごしゅじ…さまの…」 そこまで言って言葉が止まると、急かすように中へ指が二本入ってきた。 「あっ…ん、くださ…あぁっ」 「なにを?」 「ごしゅじん、さまの…んっ、おちん…ちん、いれて…ください…」 顔がおかしいくらいに熱くなってきたのを感じると同時に、ハルの手がリングに伸びてきてそれを外し始めた。ようやく解放されたことで安堵を覚えるが、ハルのものが後ろに宛てがわれてハッとする。 「あ、まって、今…だ、め…」 「入れてほしいんでしょ?気持ちよくしてあげるから頑張っていっぱい鳴いてね」 躊躇なくハルのものが奥まで突き上げて入ってくると、先程まで張り詰められて苦しかった俺のものは勢いよく精を吐き出してしまった。 「あっ、やだ、あ、止まんな…っお、ねが…やめて!」 「挿れただけでイッたんだ。けどまだ終わりじゃないよ」 ハルがそう言うと、スマートフォンの着信音が聞こえてくる。恐らくそれは俺のもので、俺はここで助かるかもしれないと淡い期待を抱いていた。

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