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第222話Dependence②

ハルが俺のスマートフォンを手に取って訝しげに見つめる。電話をかけてきたのは真田だった。いつもはタイミングが悪いけれど、今は逆によかった。 もしかしたらハルのことだから何も言わず切ってしまうかとも思ったが、一拍間を置いてから俺の方にスマートフォンを差し出してくれる。 「聡志から。出ていいよ」 「え…でも、このまま、じゃ…」 中にはハルが入ったままなのに、そんなこと気にしていないとでもいったようにハルがスマートフォンをタップすると、通話中の画面に切り替わった。 『あ、もしもし双木?』 「…どうした」 通話はスピーカーになっていて、ベッドの上にスマートフォンを置いておいてもよく聞こえる。 『今時間大丈夫?』 「ああ、まあ…大丈…んっ!」 『え?どうかしたのか?』 通話中だというのに、ハルが動き始めた。わざとゆっくり、弱い箇所を擦り上げるように。 「んっ…ん、なん、でも…な…」 『調子悪いなら無理して出ることないのに…あ、遥人は?あいつにも連絡したんだけど出なくてさ』 「あ、いつ…は」 後ろのハルを見ると、不敵な笑みを浮かべたままスマートフォンに顔を近づけ、話し始める。 「今勇也と一緒にいるよ。どうしたの?」 『今上杉の方で色々あったみたいで、謙太が俺の家に来てんだけどさ…あ、待ってこの前お前に借りたゲームが__』 二人が会話している中、必死に声を抑えながら快感に耐える。真田は話に蛇足が多いから、話さなくていいことまでペラペラと喋って本題に辿り着かない。 『あ、それでお前らも家に来ないかと思って。なんなら泊まってもいいし、明日どうせお袋がそっちに行くだろ?』 「あーどうしようかな」 『あ、まだお袋に確認取ってないからちょっと聞いてくるわ。謙太に代わる〜』 電話が長すぎる。心の中で文句を垂れながら、もどかしい刺激に吐息が漏れていく。 『すまないな、聡志の話が長くて…ん?双木、少し苦しそうじゃないか?具合が悪いのなら休んで…』 「そういうのじゃ…ねえ、から…んっ、だい、じょぶ…」 『そうか…それで、どうする?まだ二人に来るかどうかの確認も取っていなかった気がするが』 「勇也に決めてもらうよ。ねえ、勇也はどうしたい?俺はどっちでもいいけど」 真田の家に行く選択肢を選べばきっと今の状況からは解放される。口を開いた瞬間、ハルはいきなり律動を早めて弱い所を責め始めた。 「あっ…!あ、待っ…だめ、んっ…」 『双木…?どうした、大丈夫か』 「んっ…おれ、は…行きた…あっ!」 行きたい旨を伝えようとすると奥を思い切り抉るように突かれ、ハルが耳元で俺だけに聞こえるように何かを言う。それがまた恥ずかしい言葉であったが、言わなければきっと俺はもっと辱められるに違いなかった。 「悪い、上杉…おれ、たち…行けなっ…い」 『ああ、そうか…何か用事があったか、それともやはり具合が悪いのか?』 「…お、れが…はると一緒に…いたい、から」 何故わざわざ友人にこんなことを言わなければならないのだろう。ハルは満足したように微笑んでいる。恐らく相手が上杉だからこんなことを言わせたのだろう。 『そ、そうか…ああ、そうだよな、それなら仕方ない』 「俺は別に聡志の家行っても良かったんだけどね。勇也がどうしてもって言うから」 「誰も、そんなこと言ってな…んっ、あ、ごめ…お、俺が…はるのこと、大好き、だから…一緒に、いたい…」 『なっ…』 画面の向こうで上杉が赤面しているのが想像できる。俺だって平気な顔をしてこんなことを言うのは無理だ。 もう電話を切ろうと手を伸ばすと、ハルは容赦なく思い切り突き上げる。声を抑える暇もなくベッドのシーツにしがみついた。 「あぁっ、だめ、あっ…んん!」 また体が大きく震えて、中のハルのものを締め付ける。電話の向こうからは音がしないが、急にプツリと切れてしまった。 「あ、謙太くん切っちゃったんだ。つまんないの」 上杉に今のを聞かれてしまった。これからどんな顔をして会えばいいのだろう。あまりの羞恥に涙がシーツに垂れていく。 「も…や、だ…これ以上…」 「もう少しだから頑張って。俺がイけたら今日のところはお終い」 「今日って…」 ということは、明日もあるということだろうか。それを聞く前にハルはまた動き始めて、先程達したばかりの自分にはそれが辛かった。 「あっ、あ、も…いったばっか、だから…やっあぁっ」 「うんうん、いっぱいイけて偉いね」 体は逃げようとするが、首輪がつながれているせいでどんなに逃げようとしても紐がピンと張って動けないのだった。 「いっ…ぁ、いく…だ、め…」 「俺より先にイッちゃだめだからね?」 「そ…んな、あっ!や、そこ…触ら、な…」 先には駄目だというくせに、わざと追い打ちをかけるように俺のものへ手を伸ばして扱き始めた。 ハルの手が自分のものを触っている。強く上下に擦って、尿道口を指でぐりぐりと撫でた。それだけで気持ちが良くて、必死に快感に耐え抜く。 「も…だめ、いっ…」 「俺も、もう少しだから…我慢しな」 そんなことを言われても俺を責めているのはハルだから、快感に慣らされた体はまたすぐに絶頂を迎えた。 「ん…今イッたでしょ」 「いっ、て…な…あっん…」 「中の締め付けがイッたときの締め付け方だったけど。ダメでしょ?ねえ」 イッたばかりのそこをまた突かれ、もう一度同じ様な感覚が訪れる。 「あぁっ、あ、やだ、また…んっ!」 「またイッたの?いけないワンちゃんだね」 「ごめ…なさっ、あっ」 「俺ももう…中、出すから」 中に出すと聞いて、必死に首を横に振ってに拒否を示す。しかしそれも意味を成さず、ハルの律動が止まったかと思うと、中に熱いものが流れ出た。自分の中がハルで満たされていくようだった。 「ん…気持ちいい?」 「も、だめ…っやめ、あっ」 「折角出してあげたんだからありがとうでしょ」 「っ……あ、りがと…ございます」 ようやくハルのものが中から抜けていったが、未だ余韻で体がおかしかった。 体力の限界がやってきて、ハルの胸元に頭を垂れてそのまま目を閉じる。ハルは優しく抱きとめて頭を撫でてくれたけれど、やはり明日もこれは続くのだろうか。 ハルに嫌われたくない。けれど俺は本当にここまでされなければならないことをしたのだろうか。ハルのぶつける怒りはあまりにも一方的で、本当に子供のそれのようだった。

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