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非日常
遅刻せずになんとか間に合った私たちは、いつも通り午前の授業を受け、いつも通り一緒に中庭でお弁当を食べ、またいつも通り午後の授業を受け、いつも通りではない放課後を迎えた。
「紅葉ー行こー?」
「ええ……」
気乗りはしないが拓麻がいるし大丈夫だろうとは思う。
けど……やっぱり怖いものは怖いわよね。
拓麻と一緒に屋上へ向かう階段を上る。
「告白っぽかったら俺教室戻ってるからな。終わったら教室来て」
階段の途中でこんなことを言われてしまった。
いや、まぁ、そうなる気はしてたけど……してたけどさ、見守ってちょうだいよ。
いや、待ってちょうだい、告白シーンを見られるって相手にとっては失礼に当たるのかしら?
でももし断って迫られたらどうするのよ。
悩むわね……。
……よし、覚悟を決めるのよ紅葉。男でしょう。
「わかったわ。ドア少しだけ開けておいてちょうだい。閉めてたら声聞こえないでしょう?」
「ああ、わかった。でも本当に問題ないと思ったら教室行くからな」
「ええ」
いつの間にか一番上まで来ていた私たちはドアの前で確認をする。
行きたくないけど早く行かないと待ってる相手に悪いわよね。
「じゃあ行ってくるわね」
「おう、行ってらっしゃい」
私は深呼吸をしてからドアを開けた。
フェンスのところには知らない男の人がいた。
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