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灼の章
――ああ、なんて恐ろしい化け物なんでしょう!
――みてみろ、あの醜さを! 鬼のようだ!
嗚呼、五月蝿い、五月蝿い。
こうでもしなければ、おまえたち人間は妾のことを忘れてしまうくせに。
ほうら、おまえの望む通り呪いの力を貸してやろう。愛する男を奪った泥棒猫を地獄へ堕としたい? 自分を騙した豚のような男を殺したい? なんでも叶えてやろう。おまえたちの望む、邪神になってやろうじゃないか。
美しいままでは、妾のことなんて忘れてしまうのだろう?
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