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No. 06 無計画な王子

 人魚の王子は15歳。外の世界を見に行って、船上の男に恋をした。「あの人と結ばれたい」頭はそれで一杯だ。魔女に声を手渡して、しなやかな脚を受け取った。 ――あれ? ところで僕、これからどうすれば? 港について王子は困る。身寄りも声も、服さえない。あるのはただ、美貌だけ。 無力な王子は奴隷商に捕まって、売られてしまったのだった。 しかし嘆くことは無い。王子を買ったその人こそ、船上の彼だったのだから。

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