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第16話
佐久間に送られ、マンションに帰り着いたのは22時を過ぎた頃だった。
「ただいま…。」
部屋に戻ると、晴人はソファに蹲って眠っていた。
泣いたのだろうか、目元が少し赤くなってしまっている。
ダイニングテーブルの上には、朝用意した食事が手付かずのまま残されていた。
「ごめんな。」
眠っている晴人に声をかけて、指で髪を梳いてやる。
嫌な気持ちを洗い流したくなり、ひとまずシャワーを浴びることにした。
浴室かはリビングに戻ると、晴人はまだ寝息をたてている。
このまま寝かせておく訳にもいかない為、晴人を抱いて寝室へ向かう。
「ぅんっ…」
目を覚まさない晴人に苦笑しつつ、自分も隣に潜り込んだ。
「絶対にお前を一人にはしないからな…。」
穏やかな寝息を立てて眠る晴人を抱き締め、蒼斗も目を閉じた。
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