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第20話
「だめっ!!!」
珍しく大声を出した晴人に、蒼斗は驚いた。
「どうして反対するんだ?俺がαになればお前と番になれるんだぞ。」
蒼斗がそう告げると、晴人は叫んだ。
「番になんてならなくても良い!俺はこれからずっと蒼斗と一緒に居られなくなったりしたら嫌だよ。」
語尾はもう、消え入りそうなほどだった。
確かに、秘密裏に行われている治験とはいえ完全に情報が漏れないという事もない。
晴人自身、多少はリスクを耳にしたことがあるのだろう。
床に蹲ってしまった晴人をそっと抱き起こした。
「ごめんな。」
そう言って頭を撫でると、涙に濡れた瞳と目が合った。
「もう少し、色々と考えてみるよ。」
ほぼ蒼斗の決意は固まっていたが、晴人を落ち着かせるためにとそう告げた。
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