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第132話
その日の昼に、広瀬外回りの途中、小さな定食屋で昼食を食べた。
古いテレビが壁にかかっている。
ニュース番組をやっていた。短い時間で近藤理事の殺人事件が報道されていた。山で遺体がみつかり警察は事件とみて捜査されている、というだけのものだった。
こうなるとよほどのことがない限り、今後、テレビや新聞では事件の経過は取り上げられないだろう。
犯人が逮捕されても、扱いは小さいだろう。ほとんどの人は、こんなニュースがあったことすら、忘れ去る。
だが、定食屋をでたところで、広瀬のスマホに着信が入った。忍沼からだった。
「はい」
「あきちゃん、ニュースみたよ。近藤は殺されてたんだね」と彼は昨日の夜の連続ドラマの内容を話すように近藤の事件の話をした。
そして続ける。「あきちゃんから預かったメモリーカードの中身、わかったよ。今日、夜会える?」
広瀬は同意し、待ち合わせ場所を決めた。
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