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クロの与える刺激はどれも微弱でゆったりとしていて俺の期待を空回りさせてばかりだ。
なのに、いや、だからなのか勝手にその先を想像して体中の感覚が過敏になり、肌を撫でる夜の風にすら猥りがましく鼓動が跳ねる。
「ン、ぁ、クロぉ……っ、ふ、はやくうごいてぇ……っ」
焦れったくなって誘うように緩く腰を振ると、クロがうっとりと目元をしなわせ笑った。
「分かった、動いてやるから腰を振るのはやめなさい。はしたない」
クロの言葉に、駄々をこねる子どものように揺すっていた腰の動きをピタリと止めた。
それが服従の輪の力なのか、それとも自分の意思かもはや分からなかった。
クロのモノを咥え込んだまま腰を突き上げた状態で、ぷるぷると体を震わせながら穿たれる快感を待ちわびた。
高まる期待に鼓動が速まり、呼吸は犬のように浅くなる。吐息には情けないほどありありと媚びた色が滲んでいた。
クロはおもむろに俺の腰を掴んで、今までの焦れったさが嘘のように激しく腰を打ち始めた。
「っ、ひ、ぁン、ふ、っあぁ……ッ」
行き場なくずっと体の奥で膨れ上がっていた期待が穿たれる度に激しく弾けて、甘い悲鳴を上げさせる。
暴力的なまでの快感に理性なんてとっくに飛んでしまって、こんな情けない痴態を晒しているというのに羞恥も屈辱も感じない。
過剰なほど与えられる快感を少しの取りこぼしなくむしゃぶるのに夢中でそんな余裕などなかった。
絶頂の予感が荒れ狂う鼓動の手前まで迫ってきた時、不意にクロは腰を振るのを止めた。
「……っふ、ぇ?」
あと少しで絶頂を迎えようとしたところでのまさかのおあずけに、俺は戸惑いを隠せなかった。
そんな俺を気にすることなく、クロは自身のモノを窄まりから抜き取った。そして俺の身体を反転させ仰向けにさせた。
今からとどめのように強い快感を与えられると信じて疑わずにいた俺はわけが分からず困惑した表情でクロを見詰めた。正直、泣きそうだった。
なんで? なんで? なんで? と詰め寄るように視線で疑問を投げ掛ける。
責めるような、縋るようなその目にクロがゆったりと微笑んで答えた。
「すまなかったな、今まで首輪の力で無理やり言うことをきかせて」
なぜ今そんなことを謝るのだろうか。俺は首を傾げた。
でももうそんなことはどうでもいいから早く乱暴にナカをぐちゃぐちゃにして欲しかった。
なのにクロはセックスを再開させる気配は全く見せず、持っていた鎖をこれ見よがしに手放した。
ジャラリ、と落ちる鎖の音が微かな振動と共に地面を伝ってきた。
「さぁ、鎖は離した。これでソウシは自由だ。逃げたければ逃げていい」
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