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クロの口の端がにやりと持ち上げられた。
「そうかそうか、私と子作りしたいか。その言葉を聞けてよかった。よく素直に言ったな、えらいぞ」
よしよし、と子どもを褒めるみたいに頭を撫でられる。
「私の子種が欲しいか」
クロの問いに、俺はこくこくと何度も頷く。
「頷くだけじゃ分からない。ちゃんと言葉で言いなさい」
「っ、ほ、ほしい……、クロの、子だね、ほしい、っく……」
しゃくりあげながら、クロの言葉をなぞる。気持ちよくなれるなら、言葉の意味などどうでもよかった。
「どこに欲しい? 注いで欲しいところをちゃんと見せなさい」
もう服従の輪の力は及んでいないというのに、クロの優しく穏やかな命令口調に体が勝手に動く。
「っ、こ、ここ……っ、ここに、ほしい……ッ」
両膝を掴んで開き、ひくつくそこをクロに晒して見せる。
クロは口の端を吊り上げて、思い通りに事の運んだ策士のような笑みを浮かべた。しかしそんなことどうでもよかった。
「っ、クロ、はやく、ふ、ぁ……ッ」
「ふふ、ソウシは本当に可愛いな。分かった、すぐに子種を注いでやるからな」
クロはそう言うやいなや覆い被さり頬や鼻にキスをすると、俺の脚をさらに押し広げた。
そして晒しだした窄まりに自身の固いものを、一気に押し込んだ。
「ッ、あっ、ひぃ……ッ!」
待ちわびた快感が絶え間なく奥を激しく穿つ。過ぎた快感は暴力と変わりないが、その暴力さえ気持ちいいと感じるほどに感覚は麻痺していた。
「ふっ、あぁっ、ン、あッ……」
嗚咽も喘ぎも何もかもが混ざって口から溢れる。
自分のモノがびくびくと震えて、射精の気配に満ちてきた。
これで出したら最高に気持ちいいだろうと、さらなる快感の予感にうっとりと口の端が緩む。
しかし、突然クロが俺のモノをその大きな手で締め上げるように力強く掴んだ。
「っは、ぁ、ぐ……っ」
濁った声も漏らして喉を仰け反らせる。なぜそんなことをするのか分からず、涙目で訴えかけるようにクロの方を見た。
クロはにこりと微笑んだ。
「子作りのまぐわいだからここは必要ない。ナカでイかないと」
「……っ、ひぃ、ぁ、はなし……ンっ」
下半身を握られたまま激しく奥を打たれ、行き場のない熱が腹の奥で渦巻いて身悶えさせる。
イきたいのに、イけない。頭がおかしくなりそうだ。
「ふぁ、っ、う、ンあぁ……ッ!」
奥の一番気持ちいいところを突き上げられた瞬間、意識が弾けるような鮮烈な快感が腰から背筋、そして脳内に駆け抜けた。
腰がビクンと大きく跳ねて、その後も尾を引くみたいに体がぴくぴくと小さく震えた。
射精したのだと思ったが、いつもと何か違うような気がした。
下半身の甘い悶絶が放たれた感覚はあるが、まだ腰の辺りに熱を帯びて淀んでいる感じだ。
もそりと首だけ持ち上げて下半身を見ると、握られたそれは先端から透明の液体をだらしなく垂れ流していた。
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