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「ソ、ソウシ、それはつまり……」 「勘違いするなよ! 決して昨日のことを許したわけじゃないし、今でもめちゃくちゃ警戒してる。それでも……っ、このもふもふに罪はないッ」  俺はそう言ってまたクロの毛に顔を埋めて体中を撫でさすった。  やっぱりもふもふは正義だ……!  存分にもふもふを堪能してから再び顔を上げる。 「でも、連れて行くには三つの条件がある」  ビシッと立てた三本指をクロに突き出す。 「まず一つ目は絶対に昨日みたいないやらしいことは一切しないこと! 子作りなんかもってのほかだ。もし俺に手を出したら即刻パーティーから追放だからなっ」 「……分かった、約束する」  しゅんと耳を下げつつもクロははっきりと頷いた。 「二つ目はアーロンやドゥーガルドから俺を守ること」 「それはたとえ頼まれなくとも全力で守る。奴らの息の根を止めてやる」 「いや、そこまで物騒なことしなくていいから!」  目が本気なので慌てて制した。  そして仕切り直すように咳払いして三つ目を切り出した。 「あと三つ目は――、一日一回のもふもふタイムだ!」  そう言って俺はクロの頭をわしゃわしゃと掻き撫でた。  するとクロがふっと柔らかな笑いを零した。 「そんなことならお安い御用だ。一日一回と言わず何度でもしてくれ」  嬉しそうに俺の頬に顔をすり寄せてくるクロに、胸がくすぐったい気持ちになった。 「ははっ、じゃあ交渉成立だな。それじゃあさっそくだけど背中に乗せてくれ」 「もちろん、喜んで」  体を低くしたクロの背にひょいっと跨がると、弾むような足取りでクロが走り出した。  ひどい目にはあったけれど、クロの忠誠心は強まり、アーロンとドゥーガルドの魔の手から身を守ってくれる心強い味方と最高の癒やしであるもふもふを手に入れることができたのだ。  雨降って地固まるというか、まぁこれにて一件落着だ。  揺れるもふもふの体に身を委ねながらゆっくりと目をつむり、俺たちはアーロンたちの元へと向かった。  クロを連れ帰ってきた俺に、アーロンとドゥーガルドが猛反対してきたのは言うまでもない……。

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