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第25話 きたいきたいきたいっ

俺は奴の不遜な言葉や態度に不思議なくらい苛立ちを覚えなかった。 むしろこの言葉に従えばその先に欲している快感があるのだと思うと、有難い導きのようにさえ思えた。 そこに少しの躊躇いもなかった。 俺は後ろの木で支えながら、震える体をゆっくりと立ち上がらせた。 早く脱ぎたいのに、体に力が入らないのと足がもつれるせいでなかなかうまく脱げない。 「あ……っ」 服と足がもつれてその場に転んでしまった。 けれど、アーロンは手を差し出すでもなく、腕を組んで俺をじっと見つめていた。 もどかしい気持ちでおかしくなりそうな呼吸のリズムを整えながら立ち上がり、俺はようやくズボンを脱ぐことができた。 やったぁ……、ぬげた……! 思わず口元が緩んだ。 俺はシャツを捲し上げて、快感へ導く魔法の言葉を嬉々として口にした。 「おれのっ、小さいメスクリをさわって、んっ、ください」 口からこぼれた言葉や吐息ひとつひとつに、卑猥な期待があふれ出ているのが自分でも分かった。 アーロンは口の端をにやりと歪めて、俺の胸倉を掴んで引き寄せるとキスをした。 「……上出来。できるじゃねぇか」 そのまま地面に押し倒すと、アーロンはキスをしながら俺の下半身を扱いた。 「んぁっ、んっ、はぁ、あ……っ」 まるでご褒美のように快感だけを与えるその手つきに俺はよだれのようにだらしなく喘ぎ声を垂れ流した。 すぐに溜まったものは吐き出されたけれど、アーロンの手の熱に感じてまた膨れ上がっていく。 「ははっ、小さいくせに貪欲だな」 「んっ、っはぁ、だって、きもちい……っ」 「……お前いつもこのくらい素直ならいいのにな」 ぼそっと呟くと、アーロンは俺の目尻に軽くキスした。 そしておもむろに手を下半身に伸ばして、割れ目に指先を入れた。 「い、いやだ……っ」 未知の領域に踏み込む怖さで体が縮こまる。 そんな俺の頭をアーロンは意外にも優しく撫でた。 「大丈夫。もっと気持ちいいことしてやるから」 「もっときもちいこと……?」 耳元で誘惑のように囁かれて、体中に張りつめていた緊張が弱まる。 むしろ好奇心の方がむくむくと頭をもたげた。 「そうそう。もし怖かったら俺の首に抱きついていていいし」 アーロンは俺の腕を引いて自分の首に回した。 そして指先をさらに奥へと進めていった。 「あ……っ、あっ、ん」 今まで感じたことのない感触に、緊張と恐怖、そして期待が入り混じった悲鳴とも喘ぎともつかない声が零れた。 ぎゅっとナカの肉がアーロンの指を締め付ける。 アーロンの指が入っていっているはずなのに、まるで自分が招き入れているような錯覚に陥った。 「ははっ、すげぇ締め付け。でもこれじゃあいいところを探せねぇよ。もっと力抜け」 そう言うと、緊張をほぐそうとしているのか、軽いキスを頬や額、唇、瞼と落としていった。 「ん、んっ……」 くすぐったく可愛らしいその感触に俺の体から少しだけ力が抜けた。 その隙をくぐり抜けるように指がさらに奥まで入った。 「んぁ……っ」 未知の感覚に、思わず喉をのけぞった。 動きは同じなのにある一点を押されると明らかに今までのものとは異質の快感が背筋を駆け上がった。 怖いくらいの気持ちよさに、俺は助けを求めるようにアーロンの首に回した腕に力を入れて抱きついた。 「……今のところがよかったか?」 笑いを含んだ低い声で囁かれてコクコクと何度も頷いた。 すると今まで探るような動きだった指の動きが、弱い箇所を攻めるように激しいものとなった。 「っ、ひっ、んぁ、ああっ」 頭の中が掻き回されたように思考も感情も何もかもぐちゃぐちゃになって、口から喘ぎと一緒に飛び散った。 それを追うように下半身から白い快感が噴き出した。 肩で息をしながら、呆然と自分のまき散らした白い跡を見つめる。 ギリギリまで膨れ上がったものがバチンと弾けたような強烈な快感を味わったばかりなのに、まだ欲しいと思った。 なのに、アーロンは気持ちいい場所から指を抜き取ってしまった。 無意識に、切なげな声が漏れてしまう。 「はは、そんな声漏らすなよ」 愛おしげな響きを持った微笑が、耳をくすぐったので俺は目を閉じた。 布の擦れる音がして目を開けると、アーロンが自分のものを取り出していた。 さっきまでの自分なら暴れて抵抗しただろうが、今の自分にそんな気持ちは一切起こらなかった。 それどころか、さっきの指であんなに気持ちがよかったのだから、これであの場所を突いてくれたらもっと気持ちいいだろうという期待さえ抱いていた。

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