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第26話 おねだり、ありえない!

待ちきれないとばかりにぎゅっとさらに抱きつくと、アーロンが大きくため息を吐いた。 「お前、普段と全然態度違うじゃねぇか。……俺はこっちの方が好きだ」 「え?」 ぼそりと呟いた言葉を聞き返すより早く、アーロンの手が動いて俺の脚を押し広げた。 今まで人に晒すことなど考えたこともなかった部分が露わにされているというのに、俺は恥ずかしさより卑猥な期待で胸が高まった。 先端が入った時はさすがに呻き声を漏らした。 体が拒むように固くなったが、アーロンの優しいキスや腿をなでる優しい手つきに、次第に体と呼吸が柔らかくなっていった。 疼く場所へゆっくりと進んでくるその速度がもどかしいけれど、それが気持ちを高まらせているのもまた事実だった。 先端がついにあの場所に触れた時、歓喜に体が打ち震えた。 露骨な期待に、アーロンは意地悪く笑って「ここ?」と訊いてきた。 「うんっ、そこっ、んぁ……っ」 プライドも何もかも捨てて必死で頷くと、アーロンはくすりと笑った。 「お前、本当にキャラ変わりすぎ」 そう言うと、アーロンは俺の腰を持って今までじりじりと歩みを進めていたのが嘘のように激しく突いてきた。 「あっ、あっ、あっ、ああっ、んぁっ」 口から血を帯びた悲鳴のような喘ぎが溢れ出た。 痛いのに気持ちいい。 痛いのが気持ちいい。 痛みを上塗りするように快感が神経を染めていく。 気づいたら涙がこぼれて、頬を濡らしていた。 悲しみや怒り、悔しさ、そういった自分の知る涙とは全く違うものだった。 涙、声、呼吸、震え、感情……、こんなにも体中が自分でコントロールできないもので満たされるのは初めてのことだった。 気づいたら、俺もアーロンも何度も絶頂を迎えて、それぞれ何度も白い液を吐き出していた。 二人の荒い呼吸がぶつかって消える気配が無数に漂っている。 俺は声も涙もひからびていた。 なのに、下半身のじっとりとした熱はわき上がって先端から溢れてくる。 アーロンが自身のモノを引き抜いた時には、露骨なほど切なげな声が漏れた。 体力は限界を迎えているのに、まだまだ足りないと下半身が喘ぐのだ。 「っん、あーろん、あーろん、もーいっかい……」 両手を広げて、とろとろに溶けた声と目でねだると、アーロンの喉がごくりと動いた。 「……媚薬ききすぎだろ」 「あーろん、おねがい、おれ、がんばるから」 「……じゃあさ」 ズイ、とアーロンが顔を近づけてきた。 「もう一回したら、俺のものになる?」 悪魔のような囁きにも関わらず、目先の快感のことしか考えられなくなった俺はにべもなく何度も頷いた。 「なるっ、おれアーロンのものになるっ」 「よし、今の約束絶対だからな」 そう言って唇に軽くキスをした。 そして俺の下に再び自分のモノを入れようとした瞬間、何かが空を切った。 それと同時に、目の前のアーロンが突然闇の中に吹き飛んで行ってしまった。 消えたアーロンの後に現れたのは、すさまじい形相のドゥーガルドだった。

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