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△8.lovesick

 ドッキン!!  真木は良くも悪くも心臓に悪い。  さっきまで浮かれていた気分はすっかり消えた。  よりによってここで桜庭の名前が出てくるなんて誰が想像できる? 『桜庭が好き』そう言ったのはオレだ。だからこれは仕方のないこと。  自分で仕向けたこととはいえ、天国から地獄に突き落とされた気分だ。 「あ~うん。だってオレ、桜庭とは不釣り合いだし」 「そんなことはないだろう。小枝と話している時、悠陽は楽しそうにしている。それに小枝はーー」 「?」  オレは、なに?  続きが気になって真木を見上げれば、 「俺が言うのもなんだが、可愛いと思うよ」  真木は静かにそう言った。  ドッキン!  なんだよその不意打ちは!!  可愛いって……可愛いって!!  好きな人にそんなこと言われたら、オレ、どうにかなっちゃいそう。  たとえそれがお世辞だとわかっていても嬉しすぎる。 「どうせチビだよ!」 「なぜそこでそうなる。『可愛い』と『チビ』は別だろ?」 「ベツに。ほら、委員長の仕事、さっさと済ませちまおうぜ」

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