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△7.lovesick

「……っつ!」  なんて不意打ちだろう。  ドッキン、ドッキン。  心臓が破裂しそうなほど大きく高鳴っている。  ……落ち着けオレ。  勘違いするな。  好きっていうのは桜であってオレじゃない。  頭ではわかっているのにオレの心は真木の、『好き』っていう言葉を勘違いしそうになる。  どうしよう。ここで黙ってしまったら真木に悟られてしまうかもしれない。  何か、何か話さなきゃ。 「あ、あのさ。裏庭にソメイヨシノがあるの知ってる? 超キレーなんだよ。卒業式の日に一緒に見に行かねぇ? 昨年は26日に開花してたっけ。今年も早く開花したらいいな」  そう言ったオレは半ば早口だ。  オレってバカ。不信に思われたかな。  不安になってほんのちょっぴり視線を上げると、 「ああ、構わない」  良かった。真木は何もなかったかのように頷いた。  だけどオレは真木の優しい表情を見たおかげで何もなかったようにはできない。  それでも何とか平静を装う。 「ほんと? 約束な!」 「それはそうと、お前。悠に告白する気はないのか? それこそ卒業式の日に裏庭の桜を見ながらとか」

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