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△3.mostory sunny time to time heavy rain
他人に、『優しい』とか、『好き』なんて言われちゃうとなんだか照れくさい。若干浮かれ気味になったオレは次の荷物を運ぶため、また準備室に戻った。
「……小枝って、結構したたかだよな」
「えっ?」
それは突然だった。
黒いカーテンで覆われている薄暗い準備室に戻ったオレに、真木はぼそっとそう言ったんだ。
「真木?」
どうしたんだろう。
なんかさっきと雰囲気が違う。
声、ものすごく低い。
機嫌が悪い?
「俺を手伝ったのも悠陽にアピールするためか?」
表情は見えないけれど、真木、なんか怖い。
「ちがっ! オレはほんとに真木を手伝いたくて!!」
持ち上げた箱は真木に冷たくされて今にも落としそう。
「いいよ、もう一人で十分だ」
真木はオレから箱を奪うと、さっさと準備室を出て行った。
「真木!」
真木は実験室に箱を持って行っただけ。
ここで待っていればまた話せる。
……だけど。
ダメ。顔、合わせられない。
違う。真木を利用してなんかない。むしろ桜庭を利用した。オレが好きなのは真木で桜庭じゃない。だけどそれは言えない。
告白するにしろ、しないにしろ。
どっちみち、オレはどう転んでも真木とは一緒にいられないんだ。
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