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本当は、桜庭と話している時間が惜しい。一刻も早く真木と話をしたいと思う。だけどなぜか桜庭には人を頷かせる力があるっていうか……微笑を浮かべているんだけど、桜庭には有無を言わせない迫力みたいなものがあるんだ。
「うん」
オレが頷くのを確認した桜庭は、静かに席を立って教室を出る。そんな桜庭の背後では、取り巻き連中が残念そうな声を上げている。だけどみんな桜庭に嫌われるのが怖いらしく、押し掛けようとは思わないみたいだ。桜庭の席で大人しく立ち往生している。
まあ、連中は桜庭が席を立った理由の根源ともなるオレを恨めしそうに睨んでくるけれど……。
とはいえ、今のオレにとってはどうでもいいことだ。
とにかく! オレは早く真木に会いたいんだ! こいつらにいちいち反応してたんじゃ時間がいくらあっても足りなくなる。
オレは真木以外何も考えられないくらいになっているんだ。
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