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22-ぱあぁぁん[頭の中がお花畑です]
オレだって学習した。
インテリは理由説明してわかってもらわねーとダメなんだろ?
きっちり説得して、真矢の鉄の意志を打ち砕いてみせる。
「真矢、オレ…今日は練習しないっ。だって、真矢とイチャイチャしたいし。真矢にオレの色んなトコ……ううん全部を見て欲しい」
…………あれ?
全然説明になってないし、なんかすげぇバカっぽい。
こんなこと言うつもりじゃなかったのに。
「サヤちゃん?」
「あ…だから……。えっと……。セリフの練習じゃなくて、リアルな本番しよう?」
「え……本番?」
「あ、ちが……そのAV的なホンバンじゃなくて、イヤ、違わないけど、そのなんていうか」
「うん?」
うう……真矢が言葉の続きを待ってくれてるけど、オレはどう言葉を続けていいかわからない。
「だから…その……察してくれ……」
「つまり、ゲームの中みたいにふれ合って、サヤちゃんの全部を俺が確かめていいってこと?」
夢見るような優しい目で真矢がオレを見つめている。
さっきまでアワアワしていたオレだが、真矢の表情に頭がぱぁーーっと一気にお花畑になってしまった。
「ん……真矢の……好きにして?」
最高にエロい声が出た。
「……そ、それは……。はぁ……俺、サヤちゃんの声だけでイッちゃいそうだ」
「オレも。真矢の声……スキだ」
「えっ、本当に?」
表情の変化は小さいけど、すごく驚いている。
これはオレにとってはある意味『告白』だ。
実は、気恥ずかしくてまだ一度も真矢の声が好きだと伝えたことがなかった。
頭ん中がお花畑のまんま、アホみたいに甘えた声で告げる。
「ん……真矢の声、すごーーく好きっ」
「……嬉しいけど……声だけ?」
「声も……スキ」
「声も……?」
真矢がじっと見つめてオレの言葉を催促している。
……わかってるくせに。
オレの腰に腕をまわしてぎゅっと抱きしめ、耳元で低く心地のいい声がささやく。
「言ってよ、サヤちゃん。……俺のこと好き?それとも『好きじゃない?』」
その言い方に、ついニマっとしてしまった。
これは真矢がやったゲームキャラのセリフの引用だ。
オレは真矢の耳に唇をふれさせるようにささやき返す。
「うん。オレ、真矢のこと好きじゃない。『大好き』だよ」
二人ふふっと笑いあう。
ありがちな上に、まどろっこしい。なんて思ってたのに、実際言ってみると、ちょっとイイな。
しかも、引用だってわかってるから『大好き』って言葉も、ドキドキはしたけど結構あっさり言えてしまった。
「サヤちゃん、本当に俺のこと『大好き』?セリフじゃなくって?」
笑いながらもちょっと不安をにじませて真矢が確認する。
そんな真矢が、愛おしくてたまらない。
しがみつくようにキュッと抱きついて、頬と頬をあわせた。
「すきっっ。真矢、大好き。ホントに、ホントに真矢だけだから。真矢は?オレのことホントに好き?」
「キスして、抱きしめあって、そんなこと、好きじゃなきゃできない」
その言葉に吸い寄せられるようにキスをした。
好きだっていう、証明を求めるように。
「サヤちゃん、目がトロンとなってる」
「だってぇ……。まやぁ……だいすきぃ」
……頭の中のお花畑は満開だ。
自分の口から出た声とは思えない。
いくら何でもかわい子ぶりすぎでちょっとイタイ。
そう思うのに甘えるのを止められない。
まるでストッパーの壊れたベビーカーだ。
方向も定まらず、走り出したら止められない。マジ危険。
「ああ、もう可愛いなぁ。唇だけじゃなくって、サヤちゃんの全部にキスしたい。いいよな?」
ちょっと強引なセリフにグッときてしまった。
夢見心地でうんうんと頷く。
Tシャツの裾から手を差し入れられ、素肌を愛撫しながら脱がされる。
1枚取り去っただけですぐに上半身は裸だ。
言葉通り真矢はオレの体中にキスを散らしていく。
ちゅ…っという、湿り気をおびた軽い接触が期待を高める。
ドキドキする。
胸にキスをする真矢の頭を見下ろし抱いて、そのサラサラの髪に指を絡めた。
「ん……」
甘えるような音が鼻から抜ける。
「サヤちゃん。俺にこんなにドキドキしてくれて嬉しい」
胸の下にキスをしながら、ふふっと笑いまじりに真矢が言う。
その息に肌をくすぐられ、敏感にピクンピクンと体が跳ねた。
「ドキドキ……しないわけない。だって……こんな……。真矢、ホントにヤじゃない?オレ、胸もないし……」
「ふふっ。知ってるよ」
「んっっ……あ、その、胸はそうだけど、その、男だし」
「ふはっ。どうしたの、サヤちゃん?それも知ってるよ」
「や、知ってるのと実際見るのとじゃ違うだろっっっ?」
ここに来てまた不安がぶり返してしまった。
「ああ。もう、可愛いな!なに心配してんだよ。実際見たら思ってたのと違うかもしれないけど、むしろそれが楽しみなんだから」
そう言ってオレの股間に手を伸ばした。
「ぅ………」
ボトムス越しに優しくそっとふれられ身体がすくむ。
「通話しながら何度か一緒にしただろ?その時、自分のモノをさわりながらもお互いのここをさわってるんだって想定だった。本当のサヤちゃんのはどんなかなって想像くらいしたよ。今日やっと見られる」
そう言われれば、確かにそうだ。
頭がすっかり乙女な世界に毒されて、オレの身体も乙女じゃないといけないような気になってたのかもしれない……。
あれ?
いやいや、その発想のほうが毒されてないか?
R-18BLゲームという毒に。
だから……えーっと男同士ってことの方がちょっと特殊なんだよな?
あれ?てことは、真矢は男が好きな人種ってことか?
あれあれ?でもオレは別に男とか好きじゃないんだけど。
あれあれあれ?なんだこの状況。当たり前みたいにエッチなことして……。
「サヤちゃん、なに考え込んでるんだ?」
急に上の空になったオレを咎めるように、乳首を強く吸って、舌をからめ、舐め上げる。
「ふぁっん!」
指でさわるのとは全く違う感触に、思わず身をすくめた。
いつの間に眼鏡を外したのか、強い視線に射られる。
「今は俺以外のこと考えるなよ」
「ああっひぁん!」
乳首を甘噛みされて、脳が沸騰した。
さらなる刺激を求めて身体が甘く疼く。
「ちが……真矢の事かんがえて…ひゃっ……あうん!真矢は……男が好きなのか?」
真面目な質問のはずなのに、真矢は笑い出してしまった。
「っふふっ……サヤちゃん、そんなテンプレな」
「は?……アひん!」
話しながらも、乳首だけじゃなく胸全体への愛撫が続く。
手のひらで優しくなでられたかと思えば、先だけを指で弾かれる。
その度にピクンピクンと身体を跳ねさせ。口からは小さな嬌声が漏れた。
「決まってるだろ?男とか女とか関係無しにサヤちゃんが好きなんだ。男ってだけで萎えるわけじゃないから最低限の素質はあるのかもしれないけど、男性の方が好きだって思ったことはない。サヤちゃんが男だから、俺は男の体でも愛せるんだよ?」
それ証明でもするかのように、オレの下着の中に躊躇なく手を差し込むと、モノに優しくふれた。
「ココも、もうしっかり起ち上がって、こんなにも濡れてグショグショだよ?サヤちゃんは誰にされてもこんなになっちゃう男好きなのか?」
「なっ!そんなわけ……。それは……」
恥ずかしいセリフを投げかけられ、やわやわと揉まれて言葉に詰まる。
「……それは?」
言葉を促される。
これは、恥ずかしいけど言わないとダメなんだよな。
どうにか小さな声を出す。
「真矢……だからこんな。んんんぁっ……真矢にさわられたからこんなになってるんだ」
「聞こえない」
耳元で言ったんだから聞こえないわけないだろ!
胸とアコソをもどかしいくらいに優しくなでられて、ジリジリする。
超ソフトにしかさわってくれない。
オレがもう一度ちゃんと言わないから?
こんな、イヤだ。ホントにもどかし過ぎる。
「ああん!真矢にさわられたからココがエッチになったんだ。誰でもとか、男好きとかじゃなぃぃっ。真矢っ、真矢がいいっっ」
胸にある真矢の頭をギュっと強く抱きしめ、腰を揺らして手にモノをすりつけてしまっていた。
真矢が嬉しそうに、ふふっと小さく笑みを漏らす。
「……本当かわいすぎだ。誘い方がちょっと雑なところがサヤちゃんらしくてすごくイイ」
なんだそれ……。
ふてくされそうになるが、真矢の手つきがさっきまでとは違う。
下着ごと膝まで下ろされ、さらされたソコと敏感過ぎる胸に、愛しむように、味わうように指をはわし、確実にオレに快感を与えてくる。
真矢は優しい手つきなのに、クチュ……とやらしい音が立った。
本当に……期待しすぎでグチョグチョだ。
「んん……」
小さく鼻から声が抜けた。
「サヤちゃんの可愛いところも男らしいとこも好きだよ。というか、男らしいのに可愛くなっちゃうところが最高にいいんだ。俺、もっとサヤちゃんを知りたい。だから、どう見えるかなんか気にせずに本当のサヤちゃんを俺に教えて」
そう言われても、変なとこは見せたくない。それが本音だ。
なのに……。
「見てぇ。オレ、もう疑われるのヤダ。どんだけ真矢のこと好きか……んぁっ……んぁ見てっああっ見てっっ」
バカ、なに恥ずかしいこと言ってんだ。
遠くでもう一人の自分が止めている。
この調子じゃ、単にオンナにされたがってるだけの淫乱だと勘違いされそうだ。
そんな警告が聞こえているのに止められない。
真矢も一瞬驚いた顔してたし。
ていうか、見てって言ったから見てる……。
真矢が乳首に舌をからませながら、ビクンビクンと背を跳ねさせ声を漏らすオレをじっと見てる。
しっとりと温かい真矢の舌が強く絡みつき、しっかり起ちあがった乳首をやんわりと歯で噛んでチュッと吸う。
先端にジュワンと血液が集まってさらにぷっくり膨らんだ気がする。
あ……ぁ……ヤバイ……さらに敏感になってくっ。
「んっっ。あぁん……」
うう……恥ずかしい。
メッチャ見てる。
当たり前と言えば当たり前だけど。
しばらく目を合わせていたけど、我慢できずにそらしてしまった。
そのかわり手足を真矢の身体にからませる。
ふれられるところは全部ふれていたい。
「真矢も脱いで」
期待に濡れてるオレのモノで、真矢の服が汚れてしまいそうで心配だ。
乾いたら白く跡になってた……とか……バツが悪い。
カーディガンを引っ張ると、真矢は小さく微笑んで、さっと服を脱いだ。
ちょっと驚いた。
もっとガリガリの華奢な身体だと思ってたのに。
細身だけど、しっかりと筋肉がついていてすごく男らしい。
でも、考えてみれば指もけっこうゴツいし、力も強かった。
眼鏡を外してるし、イメージにない男らしさを見せつけられて……なんだか知らない人みたいだ。
「真矢……」
確認するように頬に指をはわす。
「なに?」
真矢もオレの頬をなでる。
「オレの好きなとこ、三つ言えるか?」
別に質問の内容なんて何でも良かった。
ただ声を聞いて真矢だって確認したくなったんだ。
「三つ……。まず、笑ったときの語尾が可愛い」
「えっ?何だそれ」
「『わははは』とか粗野に笑ってても、語尾の『ははっ』にしゃくるようなちょっと可愛い音が入るんだ」
「……?そう……なのか?」
「うん。二つ目は他人に譲る余裕がある。並んだり、何かを取ったりそういう時に誰か一緒なら必ず譲って他の人を優先させてあげるよね」
「そ……かな?」
意識したことがなかった。
「あとは……。ダメだな……自然な声も、可愛く作った声も好きだし、見た目も好きだし、甘えんぼなとこも、寂しがりなとこも、エッチなとこも……いろいろ好きだ。選べないし、きっとこれからもっと好きになるだろうし」
真矢に好きなところを言われるけど、意外な内容でちょっと不思議だ。
それでも、まっすぐな視線で優しく紡がれる言葉にうっとりとなっていた。
「オレも、もっと真矢のコト知って、もっともっと好きになりたい」
「……嬉しいな」
甘い声に包まれる。そしてその声を発した唇がさらに甘くとろけるキスをオレにくれた。
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