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第6話※
(ずるい……。普段は軽めの口調で、胡散臭そうなことばっかり言うくせに、こんな時に真面目な声でそんなセリフ言うなんて……)
「ほら、今も自分から腰押し付けてきてるの、気づいてる?」
「え……」
千歳に指摘されて、初めて優弥は自分の痴態に気づかされた。
顔が熱くなり、きっと赤くなっているはずだと自分でもわかる。
「ああ、もうっ!」
いきなり千歳が声をあげて、痛いくらいに抱き締めてきたかと思うと、そのまま思いっきりディープなキスをされる。
「んっ、んんっ!」
千歳の唇が離れたころには、優弥は軽い酸欠状態になっていた。
「深海……お前、可愛過ぎる」
そう言って、優弥はギュッと千歳に抱き締められた。
その背中に腕を回したかったけれど、優弥は力が抜けてしまって無理だった。
「汚すとまずいから、脱ごうか」
千歳が優弥の身体を起こして服を脱がせていく間も、優弥はされるがままになっていた。
「シャツ……皺になる」
ワイシャツだけを残した姿にされた優弥は千歳を睨んで小さく文句を零した。
それでも千歳はそれ以上は脱がす気がないらしく、平然と言葉を返してくる。
「シャツくらいなら替え持ってくるからさ。シャツ一枚って感じが、なんか色っぽくて。もうちょっとサイズが大きいと、よりいい感じなんだけどなぁ」
「……スケベ」
千歳の言い方に恥ずかしくなった優弥は顔を伏せてしまった。
すると千歳は、優弥の両頬に手を添えて上を向かせると軽く唇を合わせてくる。
「そんな今さらでしょ。そういう深海こそ……」
「あっ」
直に自身に触れられて、優弥の声が漏れる。
「もうこんなにしてるじゃん。ス・ケ・ベ」
すでに反応している優弥のそこを弄りながら千歳が言う。
(……恥ずかしい。自分だけが乱れて高瀬を欲しがっているみたいだ)
千歳は息も乱さず、制服だってまだ着たままなのに、自分はシャツ一枚で喘いで気持ち良くなっているのが悔しくて優弥が泣きそうになっていると、千歳がそれに気づいているのかいないのか、明るい声で言った。
「いいんじゃない? スケベで。二人一緒なんだからさ」
(……一緒?)
優弥が不思議に思った次の瞬間、いきなり右手を掴まれて千歳のズボンの前へと持っていかれた。
「……っ!」
「ね?……俺も深海と一緒。興奮してる」
千歳の言葉通り、そこは熱く反応していて制服越しでも千歳の欲望を右手に感じる。
優弥は速くなる鼓動を誤魔化すように言う。
「お前と……一緒に、すんな……」
「もう、相変わらず冷たいなぁ、深海は」
素っ気無い言い方しか出来ない優弥の言葉を、千歳は笑いながら受け流してくれる。
(高瀬も……欲情してくれてるんだ)
そう思うと、優弥は千歳の素肌に触れたくなってきた。
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