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第8話※
(感じすぎて身体が辛い。早く、激しいくらいの刺激が欲しい……)
「あっ、もう、やだぁ」
優弥の瞳から涙が一筋、零れ落ちる。
「深海……『お願い』って言ってみて」
涙の跡にキスをしながら、千歳がそんなことを言う。
本当なら、ふざけるなと言い返したい気分だが、その千歳からの要求を拒む余裕は、今の優弥にはない。
「あ……お願い、高瀬。早く、入れ……」
優弥が最後まで言い終わらないうちに、いきなり千歳に腰を強く掴まれた。
「あぁ、んっ!」
いつの間にかゴムを付けて準備を済ませていた千歳自身が優弥の奥まで入ってくる。
待ち望んだ質量に満たされた優弥は、完全に千歳の上に体重をおろし抱きつくことしか出来ない。
「ん、あぁ……高、瀬」
「ほんと、ヤッてる時の深海は……素直で可愛いな」
呼吸を僅かに乱した千歳がそんなことを言ってくる。
「普段は……んっ……違う、のかよ」
別に可愛いと言われて喜ぶ趣味はないけれど、優弥は言葉を詰まらせながら言い返す。
すると、千歳は小さく笑いながら答えた。
「普段の深海は甘えてくれないから……ヤッてる時は一番可愛いけど」
その言葉は、予想以上に優弥の心へと深く突き刺さった。
ヤッてる時は……一番。
それならば、千歳にとって普段一番なのは誰なのだろうか?
昔、よく一緒に帰っていた年上の女?
この前、噂になっていたクラスメイト?
それとも、頻繁に差し入れを持ってくる中等部の後輩?
考えれば考えるほど、心当たりが多過ぎる。
「どうした? 深海」
いつの間にか動きを止めていた千歳に、いきなり頭を撫でられた。
「え……」
「泣いてるから。身体、辛い?」
千歳に言われて初めて自分が泣いていることに優弥は気づいた。
優弥の意思に反して、涙は止まることなく溢れてくる。
「平気だ。気にしないで動けよ」
「でも……んっ!」
躊躇っている千歳に強引にキスをして、優弥は続きを促す。
「いいから。激しく……抱けよ」
(余計なことを何も考えないですむように……)
優弥の態度に千歳は諦めたのか、ため息を吐くと言った。
「泣くほど辛かったら、ちゃんと言えよ」
そう言って、千歳は優弥の要望通り、いつになく激しく攻め立ててくる。
「あ、あぁ……ふぅ、た、高瀬……んぁっ!」
「深海っ。いいよ、イッて」
「はぁ、ああっ、高瀬ぇ!」
「……っ!」
千歳の激しい動きで身体はいつも以上に感じていたのに、優弥の気持ちはなんだか千歳を遠くに感じていた。
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