30 / 32
第30話※
「優弥、出来るか?」
千歳が再度、確認すると優弥はそっと千歳自身へと手を添えてきた。
「やって……みる……」
そう言って、優弥は少し舌を出すと恐る恐るといった感じでそこに顔を近づけた。
「んっ」
優弥の舌先が一瞬、触れたかと思うと驚いたのかすぐに離れてしまった。
だが、勇気を出して優弥は再度、舌を当て直す。
たどたどしく優弥の舌が数回動くのを感じる。
「平気?」
千歳が聞くと優弥は口はそのままで答える。
「本当にバニラの味がする。甘い」
オイルのバニラ味で抵抗が和らいだのか、優弥の舌先が段々と大胆になってきた。
一生懸命に舐めているその姿は、まるで子猫がペロペロとミルクを舐めているようで、愛おしさが増してくる。
「んっ……」
千歳が小さく声を漏らすと、口を離した優弥が心配そうに聞いてくる。
「感じてくれてる?」
潤んだ上目遣いでそう聞かれ、千歳の心も自身も熱くなる。
「うん、気持ちいいよ」
あの優弥が自分のを舐めてくれている。
その事実だけで、千歳は充分感じていた。
千歳の言葉に安心したのか、優弥は舐めるのを止めてその小さな口に千歳のを含んだ。
「無理に全部入れようとしなくてもいいよ……それから、歯はたてないようにね」
頭を撫でながら千歳がそうアドバイスすると、優弥は声が出せない代わりに何度も頷く。
その拍子に優弥の歯が微かに当たるのが気持ちいい。
「んっ……ふぅ……」
優弥は出来る限り口を大きく開いて含むと、舌と唇で刺激してくる。
口に含みきれない部分には指を絡めてきた。
「初めてにしては……上手だよ、優弥」
千歳が褒めたことに気をよくしたのか、優弥は自分の身体のことも忘れるくらい一生懸命にそこを愛撫することに集中していた。
手持ち無沙汰だった千歳は、つい、悪戯心が働いて優弥のお尻を撫であげてしまった。
「んっ、んんぅ!」
「……っ……」
忘れていた後ろの感覚を思い出したのか、苦しそうに優弥が喘いだ瞬間、優弥の歯が千歳自身にたてられた。
その僅かな痛みが逆に刺激となり、千歳は優弥の口の中でさらに自分の存在を主張してしまう。
「……んっ、お前……いきなり、大きく……」
口の中で大きくなった千歳を啣えていられなくなった優弥は、涙目になって咳き込んだ。
「ごめん。いきなり、優弥が歯をたてるもんだから反応しちゃって」
咳き込む優弥の背中を擦りながら言った千歳の言葉に、優弥は真っ赤になって反論してきた。
「馬鹿っ! お前が急に撫でるからだろ」
「だから、ごめんって……優弥が舐めてくれただけで嬉しくて」
そう言ってさっきまで奉仕してくれていた優弥の唇や舌を労るように、優しく啄むようなキスを千歳は繰り返す。
「あ、高瀬……」
しばらくすると、優弥が自分から千歳へと身体を擦り寄せてきた。
「どうした?」
「ん、身体が……熱い。早く、抱いて……もう、我慢出来なっ……」
さっき舐めたオイルが、優弥の身体の内側から煽ってきているのだろう。
大胆な優弥の言葉に興奮した千歳は、優弥の言葉を遮り強引に唇にキスをした。
「ん、んんっ……ふぅ……」
深く舌を絡め取ると、優弥が耐えきれずに身体を預けてくる。
そんな優弥の唇を思う存分、味わうと、千歳は覆い被さるように優弥の身体をベッドへと押し倒した。
「あっ……」
「このまま、直に入れるけど……いい?」
優弥の耳元でそう囁くと、千歳の言いたいことがわかったのか、優弥は恥ずかしそうに頷く。
今までは、校内ですることが多かったせいか、後始末のことを考えて千歳は必ずゴムをつけるようにしていた。
でも、今日ならすぐにシャワーも使えるし大丈夫だろう。
ともだちにシェアしよう!