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最初は唇。次は、朝に腫れて苦しいと股間を押さえていた彼に手ほどき。 旦那様とは正反対で、スキンシップの多い甘えん坊の子どもだった。 のに今は違う。大きく広くなった肩を押しやる。 雄臭く滴る汗に、低くなった甘い声に、頭一つ大きくなり覆いかぶさっている君。 乱暴に蚊帳を薙ぎ払い、屛風をなぎ倒し、布団の上でわたしを組み敷いている。 夜の暗い部屋の中、興奮と緊張で乱れる荒い息が肌にかかる。 「なあ、楓。気持ちいい?」  服を脱がせながら、まだ口づけしかしていないのに彼は言う。それが可愛い。 「さあ。私、初めてなので」 「じゃあ、教えて。どうしたら気持ちいいか。全部教えて」 「紫呉」 「俺に愛を教えてくれたのは、楓だから。だから」  着物の脱がし方を覚え、太ももに手を這わせ下着を指に引っ掛け、脱がしていくことも慣れて。  手を伸ばすと彼は掴んで、頬に摺り寄せてくれた。 それだけでいい。私は、それだけで満たされる。君が注いでくれる全てのモノを受け止めたい。 「……ここを触ってほしい」  高ぶって卑しく濡れた芯を握らせ腰を揺らして、紫呉の腹に押し付ける。  誰にも触られない、誰にも愛されないと思っていた日々を早く注いで埋めてしまって。

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