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一
最初は唇。次は、朝に腫れて苦しいと股間を押さえていた彼に手ほどき。
旦那様とは正反対で、スキンシップの多い甘えん坊の子どもだった。
のに今は違う。大きく広くなった肩を押しやる。
雄臭く滴る汗に、低くなった甘い声に、頭一つ大きくなり覆いかぶさっている君。
乱暴に蚊帳を薙ぎ払い、屛風をなぎ倒し、布団の上でわたしを組み敷いている。
夜の暗い部屋の中、興奮と緊張で乱れる荒い息が肌にかかる。
「なあ、楓。気持ちいい?」
服を脱がせながら、まだ口づけしかしていないのに彼は言う。それが可愛い。
「さあ。私、初めてなので」
「じゃあ、教えて。どうしたら気持ちいいか。全部教えて」
「紫呉」
「俺に愛を教えてくれたのは、楓だから。だから」
着物の脱がし方を覚え、太ももに手を這わせ下着を指に引っ掛け、脱がしていくことも慣れて。
手を伸ばすと彼は掴んで、頬に摺り寄せてくれた。
それだけでいい。私は、それだけで満たされる。君が注いでくれる全てのモノを受け止めたい。
「……ここを触ってほしい」
高ぶって卑しく濡れた芯を握らせ腰を揺らして、紫呉の腹に押し付ける。
誰にも触られない、誰にも愛されないと思っていた日々を早く注いで埋めてしまって。
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