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No. 5
せめてその手が僕に差し出されるものならいいのに。
「溢れそうだよね」
そう言いながら君は空に向けて手のひらをかざす。
きっとそれは真冬の澄んだ空気の中で
見える星なんだろうけど。
冷たい空気が肌に刺さる真夜中。
落ちてきそうな星よりも空に伸ばしたその手が欲しい。
誰かに触れるその前に。
僕に触れてくれたらいいのに。
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