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 一史の腰が跳ね上がって、晴人の腰に押さえ付けられる。縛り上げたシャツの中で両手を固く握りしめたのを感じた。  丸く、はっきりとついた歯型は照明の元ではっきりとくぼんで見えた。上顎と下顎の前歯を示すように円の外側が赤くなっていく。音の立つような呼吸音が湿っている。  「イイか?」  耳穴に吐息ごと吹き込むと、両腕が緊張し、ふると、身が震えた。隠された首筋を諦めて喉に唇を落とす。唾液に濡れた舌で喉の隆起を擽ると猫のようにぐるぐると音を鳴らす。甘く前歯で噛みつくと、また、震える。  「ぅ、あ」  歯を宛がったままで右の乳頭を抓る。口の中にある隆起が強張る。強張って弛緩して息を飲む。  「んく、ひ、んっ」  指先で摘んで捩じって引っ張ると、喉の喘ぎが忙しなくなる。きゅっと捩じ上げて爪の先で天辺を細かく引っかく。それに合わせて腰が震える。  「あ、はる、さん、はるとさん、おれ、」  名前の一音を発する度に喉が上下する。その振動が心地よくて苛める様に爪の先を動かす。全身が震える。意味を成さない言葉が一史の唇から溢れる。その合間から、晴人の名前を呼ぶ。  「おれ、俺っも、射精()したから射精()ちゃった、から……っ」  苦しいと頭上で泣く。顔を覗き込めば、隠すこともできないまま、ほろほろと眦に向けて水が転がっていく。もっと、泣かせたい。敏感になりすぎて苦しいというのなら、振り切れて馬鹿になってしまえばいい。息が荒くなる。興奮する。触発される。  乳首を開放して、左手を下腹部に伸ばす。ゆるいパンツの上から股間を包む。  「ぅあ!」  言われてみれば少し湿っている気もしなくない。新たに血液を集め始めた海綿体が肉に硬さを持たせ始めていた。  「判らないな」  「な、にが」  「射精して緩くなってんのか、まだ刺激が足んないのか」  「んン゛っ……」  力を籠めると、掌の中でぐじゅと水っぽい感触があった。一史がまた、忙しない息をする。  「全部見せろ。俺のものにするから。」  「ひ、あ!」  引き摺り下ろした下着の中で半勃起した性器がべったりと濡れている。粘液をまぶして、露出した先端を撫でる。  「あ、はると、さん!晴人さん!それぇっ!!」  腰が逃げようともがく。  押さえつけて局部を撫で回すと、まだ柔いままでくぱくぱと尿道口が開閉した。  「ア、ア、、出るっ、出る、から、駄目!はるとさん!ダメ!」  少し弄っただけで膨らんで赤み帯びた乳首に歯を立てる。一史の胸が押し付けられる。  「ア、ア、ア!ひぐぅっっ!!」  噛み付いた瞬間に先端を弄っていた親指が水圧に押し上げられた。指の隙間から飛沫(しぶ)いて手が、服が濡れる。相当量の潮噴きに飛沫の掛かった自分の手を見、一史の顔を見た。朱に染まった目元、水に浸かった瞳が呆気にとられている。驚愕に震えて、羞恥して逸らされる。  シャツの腹が濡れていた。左手の手首までびしょびしょに濡れて手を上げると手首を伝い、肘から垂れた体液が一史の腹に落ちた。そこもまた、濡れていて、俺は、  また滴りそうになった蜜を舌で拭った。  手首から、肘まで伝った分まで舌で拭った。一史のモノだと思ったら余すことなく、自分の物にしたくなる。  「晴人、さん……」  首筋に赤い傷。滲んだ血の色。舌で撫でて、鎖骨へ下る。膨れた右の乳首を口に含む。舌でなぶると飴玉みたいに揺れた。  「ン……」  噛み殺した喘ぎを聞きたい。下から突き上げてくる心音を俺のものにしたい。  「ア!」  噛みついて、吸い上げる。濡れた舌で押し潰すと乳頭が肉に沈む。しこった細やかな豆粒を肉に埋めたままで上下にねぶる。前歯で引っ掻ける度、捉えたままの手首が震える。剥き出しの性器がまた膨らむ。  「ァ、んっんっ」  唇を噛むだけじゃ抑えきれない吐息が漏れていた。足がもぞもぞ動いてるのが判る。臍の窪みに溜まったままの体液を指に絡めた。さらさらしていて、到底潤滑にはならなそうだった。でも、もう挿入(いれ)たい。挿入(はい)りたい。  乳首にむしゃぶりつきながら考える。痛いぐらいの勃起で腰が引ける。張り詰めて苦しくて、三擦り半でイッちまいそうだ。  「はっ、ァ」  咥えた乳頭を放し、尖らせた唇で啄むように口付ける。口付けながら左手で一史の下衣をずり下ろし片足だけ抜いた。手首を押さえつけていた手を外し、右手でパンツと下着が絡み付いたままの左足を持ち上げる。  「ひ、あ。だめ、だめ、はると、ひゃん……」  散々乳首をなぶられて虚脱した一史を押さえ込むなんざたいした手間もなかった。

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