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 右肩に一史の足を担いで、ジャージのウェストからバキバキになったそれを引きずり出す。性急に過ぎてウェストゴムに先端が引っ掛かり、ぶるんとゆれた。左手で支え、そのまま腰を進める。  開いた足の間に、縁が脹れひくひくと呼吸する場所がある。ぬちゅ、と先走りを垂らす亀頭が肉環に触れた。  「っ……!」  一史が息を詰める。このまま乱暴に突っ込みたい衝動に駆られる。女性器とは異なった機能の器官は俺を受け入れるようにはできていない。3度目の性交渉で俺の形に馴染んでいるかなんて判らない。  「……いれ、るんですか?」  腕を下ろし、半身捻った一史が不安げに問う。  「ああ、挿入(いれ)れたい。挿入(いれ)て、中に出したい。」  上擦った声に自分の情けなさを感じる。胸が詰まって息がし辛い。俺のものにしたい。俺のものにさせてほしい。全部欲しい。  「でも、」  「性急ですまないとは思ってるし、準備が足りないのも判ってる。」  欲しい。今すぐに。めちゃくちゃに犯して幾つもの痕を、所有の印を付けたい。絶対に離すことはないと体に刻みたい。衝動は、止まない。    「でも、堪えられない。」  唾液が後から後から溢れてきて喋るのすらままならない。支えた左手で自分の性器を扱く。  「な、にを」  「ローション、取りに行くのもキツい」  「え、え?」  腹筋を使って上体を持ち上げた一史が俺の手元を見ていた。見開いた目が自分のイチモツを扱く情けない姿を注視する。視線が、今にも吐精しそうな尿道口に刺さる。用途さえなければ、その顔にぶちまけたい。汚したい。欲望は尽きない。  「ッ……」  「ヒ……ぁっ」  睾丸が競り上がり、尿道を突き抜けようとする激流。性器の穴と変わらず小さな開閉を繰り返す肉環をぴったりくっつける。  「あ、あぁっ、あ、」  暴れる腰を右手で押さえつける。脈打ちながら注がれる精液に呼応して、一史の爪先が跳ねる。鼻で息をついて、射精が止むのを待つ。若干、上手く入らずに肉環と亀頭の隙間から漏れたが1度目の、濃く、量の多いのが、殆ど肉壺に収まった。  「い、あ、ああっ」  そっと肉環から亀頭を外す。きゅうきゅうと先程よりキツく締め付けられた襞の中心から、ぷつ、と晴人の精液が漏れた。  浅い場所に注いだ精液は襞の収縮の度、耐えるように赤い中心に白い粘液を覗かせていた。  眼前にすれば触れたくなる。  自分の精子(タネ)を溜め込んだ襞の中心に指を這わせる。しっとりと濡れて、睾丸がぐにぐにと動く。  「ア、あ、晴人さん、ダメ、触ら、ないで」  その声も顔も切な気で、一層泣かせたくなる。好きなのに、愛おしいのにそれがますほどに、虐めたい。  「んアァっ……!!」  人差し指で閉じられた襞を引っ掻いてやる。必死に襞を寄せるそこは堪えきれずにぷちゅ、とまた精液を吐き出した。それを指先で押し戻す。指先を咥えた穴の中は入り口が窮屈に締まっている割に、中はトロリと柔らかい。  「んひっ!」  つぷつぷと指を屈伸させながら潜り込ませる。担いだままの足がふるふると戦慄く。シャツで拘束された両腕が伸ばされる。晴人のシャツを掴む。  「だめ、だめ……」  先端を含まされたまま、一史は目を潤ませる。潤ませた目が哀願するのに、欲情して卑猥に懇願しているように見える。  「あぁぁっ!指っ、がっ、」  収縮する襞の中央を強引に開かせて人差し指を根本まで突き立てる。入り口の肉環は強く指の根本を締め付けるが、中の肉は精液に満たされ、どろどろに濡れたままうねっている。唾液を飲み込む感覚がやけに鮮明に喉で波打った。差し出された両腕に胸を預ける。  「めちゃくちゃに犯させて」  前にもその希望を伝え気がするが、そのときよりもずっと、感情の後ろ楯がある希求だった。好きだ。だから俺のものにしたい。だからめちゃくちゃにしたい。全部俺を受け入れて欲しい。俺も全部受け入れるから。お前の中に、俺の居場所を作って。じっとその中に住まわせて欲しい。同じように、俺の中にも、お前を住まわせるから。ずっと、離れずにいたい。体すら、繋がるほど、近くにいたい。溶かして、ひとつになることができないならせめて、お前の中に刻ませて欲しい。  ぐりゅとさらに奥に指を伸ばした。引き抜いて、押し込む。息を詰めた音がして、ぴんと一史の右足が跳ねる。指を曲げ、中を掻く。掻き出された濁液が泡立って赤い肉の縁に煌めく。  「ひ、あ、あぁ、ひぃっ!んぅっ」  中指を挿し込む、指と指の狭間を白い半透明が伝う。横に開かされた秘部は歪に歪む。  胸を押しやろうとする腕を潰して唇を奪う。上も下もめちゃくちゃに掻き回す。口の中で唾液が交ぜっ返り、肉の中で晴人の精液が一史の体液と混ざり合う。

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