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「…じゃあとにかく、まず…それ抜け」 「俺、正直めっちゃ性欲強いし、嫉妬深い」 「は?」 挿入されたままのブツに視線をやって体を起こそうとしたのに、静史は俺の言葉を無視してソッと俺の肩を押して床に押し戻してきた。 「ほぼ毎日ヤッてるけど1日1回じゃ足りないし、できるなら朝までヤりたい。休日もずっと京太に触れていたいしセックスしてたい。それに京太には仕事辞めてもらってずっと家に居て欲しいと思ってる。家から一歩も出て欲しくない。俺以外と喋るのも飲みに出るのも禁止して閉じ込めてしまいたいのが本音」 今まで口を噤んでいたのが嘘みたいに静史が饒舌に喋り出して、俺は驚きに目を見開く。 「あと、俺変態だよ。京太は俺のこと少し淡白だくらいに思ってるのかも知れないけど、その反対。めちゃくちゃしつこいし、こうやって犯すみたいにお前のこと抱いてるのだって鳥肌立つくらい興奮してる。今だって全然萎えてないだろ?」 「っあ…!?」 グッと腰を落とされ、言われた通り未だ硬さを保ったままの静史の熱を感じた。なんなら萎えるどころかいつもより大きいような気さえしてくる。 「ハメ撮りだって大好きだ。あんな女、別に撮るつもりなかったけど萎えそうだったから一応興奮できるかなと思って撮ってみただけ。京太が許してくれるなら京太とのセックス、写真だけじゃなくて動画に残したい」 静史の欲望がボトボトと溢れ落ちてきて、俺は想像の斜め上過ぎて瞬きを忘れ真上にある端正な顔立ちの男を見上げていた。 「多分、京太が今までの彼女としてきたことのないようなヤバイプレイも俺は京太としたくてしたくてたまらないんだ。頭がおかしくなるくらいグチャグチャになって一つになりたい。お前が俺無しで生きていけなくなるくらいに。早く後ろだけでイケるようにしたいし、俺のでメスイキする京太が見たい」 メス、イキ?なんだそりゃ。 と口を挟む暇も無く静史はポカンと口を開ける俺に濃厚なキスを仕掛けて来て、柔らかな舌で上顎を撫でた。 「………でも、そんなことしたら、京太俺のこと嫌いになるだろ…?」 唇を離した静史の顔は悲しそうに眉を下げる。 「京太はめちゃくちゃ仕事出来るし周りから頼られて今の会社が大好きなの知ってる。営業職だからコミュ力もあって色んな人とも上手くやっていけて、接待で飲みの席は人より多い…。もちろん忙しくなったら休日出勤もザラ。制限したいけど、束縛されんの嫌いだろ?そんなこと言うなら別れるなんて言われたらと思うと、俺怖くて…」 俺に触れる手の平が少し震えた。 喋りながら緊張しているんだ。 「京太と付き合ってからが今までで一番幸せでこの関係を壊したく無いんだ。でもやっぱどうしても寂しいし…体は欲求不満で限界が来そうで…それこそ今日みたいに無理矢理犯したいって思うような日が増えてた。…京太を傷付けず、別れず…何とかしようと思うとどうでもいい奴とするしか…なくて………」 言いながら静史の声が尻すぼみに消えていく。スーツを着ている静史は自信に満ち溢れていると言うのに、今その表情は強張り瞳は不安げに揺れている。 …ああ。もう。 なんて顔してんだよ。 「!、…京太?」 顔を上げた俺はそのまま静史に自らキスをした。一瞬また頭突きをされるとでも思ったのか静史はビクリと驚いたが、俺からのキスに応えて舌を絡ませる。俺は静史の舌を自分の方へ引き寄せて少し強めに歯を立てた。 「イッ…」 咄嗟に口を離した静史は痛みに眉を潜めるが、俺はその頭を容赦なく引き寄せて再び口付ける。 「ん………けい、」 俺のキスに反応するように、ケツに入ったままの静史のがピクリと動くのが分かった。 それを思いっきりギュウと締め付けると、多分ちょっと痛いくらいだったのか、静史が俺の腰を掴んだ。 「あっ?ちょっと、京太!キツ…」 「バッカじゃねーの?」 「え?」 「お前馬鹿だろ。どう考えてもズレてる。なんでそれで別の奴とするっていう考えに走るんだよ。これだから顔のいいやつの考えることはムカつくんだ」 ムカつく、ムカつく。 ほんとムカつく。 静史は正真正銘の馬鹿だし、俺のことまで馬鹿にするのは大概にして欲しい。 「あのな、俺がなんで男であるお前となんか付き合ってると思うんだよ。お前は俺のプライドずたずたにするくらい美形だし、入れさせてくれないし俺は毎回女役ばっかでそろそろチンコが役目を忘れてきてる」 別にチンコの話しはしなくても良かっただろうか。でも、多分俺はもう誰かに入れるなんてことはしないと思う。 だって。 「それでもお前と付き合ってんのはっ…そんなのなんとも思わないくらい俺だってお前のこと…静史のことが好きだからに決まってるだろ」 しっかりと静史の目を見て伝えると、静史の形の良い瞳が見て分かるほど大きく揺れた。今にも泣き出してしまいそうな顔。 お前がそんな顔をすることがあるなんてこと、俺は知ろうともしなかった。 …うん、そうか。 やっぱり俺も悪かったんだ。 「お前の性癖、分かんない部分もあったけど全部受け止めるよ、俺。仕事は静史の言う通り好きだから辞めたくはないけど…休日出勤もしなくていいぐらい仕事もっと出来るようになるから。仕事関係の飲みの席はお前が不安にならないようにこれからは逐一報告する。…それでも心配なら終わる頃に迎えに来てよ?それに仕事しないとお前に好きなもん買ってやれねーし、それ、俺の楽しみでもあるんだからさ」 頬を撫でると、ドラマのワンシーンみたいにポロっと静史の瞳から綺麗な雫が溢れ落ちた。 あ。 …今のカメラに収めたかったな。 俺も静史の撮りたいって気持ち、分からなくも無いかも。

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