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数日後、家のソファーにもたれ掛かって携帯を触っていた静史を後ろから羽交い締めにして耳元に唇を寄せた。 「おいー、誰と連絡とってるんだよ」 あの後すぐに浮気相手の連絡先と写真は目の前で消してくれたので、きっと仕事関係だと分かっていながらも、茶化すように言う。 理由は分かったが、浮気された事実については腹が立つので当分はネタにしてやろうと思っている俺は性格が悪いだろうか。 「仕事だよ。見る?」 「見る。…相変わらず難しそうな話してんなあ」 「そうか?普通だけど」 パッと見せてくれた画面には訳の分からない難しい単語が並んでいて、すぐに目を離して俺も静史の横に座った。 それに静史が嬉しそうに肩を寄せてくる。過剰なスキンシップはあの一件以来さらに悪化したように思えるが、まあ嫌だなんてこれっぽっちも思ってないから問題はない。 「京太。俺もう携帯のパス、外したからいつでも見ていいよ」 「あっそう。…つーかさ、お前あのパスはつける意味ないと思うんだけど。あんなの俺でもすぐ覚えられるし」 だから、浮気を発見することができたのだが。 「………」 携帯をソファー横のテーブルに置いて静史は俺の肩に腕を伸ばしてキスをして来た。変わる雰囲気にそのまま体を寄せられ、背中がソファーに沈む。 見上げる静史はスイッチが入ったように、劣情を隠しもしない瞳で俺を見つめていた。 「覚えやすかっただろ?」 ……。 待て。 それは一体どう言う意味だ、と聞き返す前にもう一度深く口付けてくる柔らかな唇。 ああ、もう。 …仕方ないな。 静史への追求は後回しにすることにして、俺はそっと目を閉じた。 END

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