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溺愛SILLY 六
髪を撫でて、優しく聞いた。
今ならいっぱい甘やかしてあげる。
「そうですね。このままベット行きましょう」
「あはははは。まじか。朝登くん、けだものー」
笑っていたら、ガウッとオオカミみたいに吠えた。
「じゃあ、今日はケダモノです」
「ぎゃー」
お姫様抱っこではなく肩に担がれて、遺品整理も厨房の後片付けも後回して、俺は乱暴にベットに下ろされた。
どうしよう。今日の朝登くん、怖くないけどなんだか、ちょっと男らしくてドキドキする。
「え、エロいことする目だ!」
「エロいことするんでしょ。ほら、脱がすよ」
抵抗せず万歳すると、腋が全開になった。
「今日は本当に腋はだめだからね!」
「はいはい」
嬉しそうに自分も服を脱ぐと、何故か服をゴミ箱に投げてちゃんと入ったら『よっしゃ』とガッツポーズだ。
テンションが、おかしい。
ゴミ箱に服を投げ入れる朝登くん、おかしい。
「今日は、甘えちゃっていいんですよねえ?」
「ううう……」
「いいんですよね?」
「う、ん。でも優しくしてね」
いや、今日の朝登くんならちょっと乱暴でもいいかもしれない。
なのに、どうしてだろう。どきどきしてきた。
もうズボンがきつい。
胸を舐めて、乳首の輪郭をなぞるように舌が動くのに――固くなってぴっくり主張している部分には触ろうともしない。
それだけではない。ズボンを脱がさずキスだけ。
耳の中に舌を入れられて、反対の耳に指を入れられて、くちゅくちゅと掻きまわされる。
それだけで、下半身が熱くなっていく。
「や、朝登くん、さ、わって」
「どこ?」
「……全部」
俺の言葉に、『可愛い』と妖艶に笑った。
硬くなった下半身を手で掴まれるのと、歯で乳首を噛まれるのは同時だった。
びくんびくんと体が痙攣しながら、甘い嬌声が漏れていく。
止まらない。止まらない声に、口を手で覆ったら、両手をシーツに縫い付けられた。
「大丈夫。――優しくする。から」
――うんと、甘えさせて。
耳元でセクシーな低い声で囁かれた。
ううう。彼の耳は甘い。屈服するしか俺に残された道はないのだった。
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