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溺愛SILLY 五
「ごめん。もう少し……っ」
甘え下手な彼。泣くのも下手くそな彼。傷ついているのも隠している彼。
そんな彼を、――今まで散々甘えてきた俺はどうしたら癒してあげられるだろうか。
「えっと、朝登くん」
「ん」
「おっぱい、揉む?」
「ぶっ」
あ、ちょっとウケてくれたらしい。
くくくって笑ってる振動が聞こえてきた。
「吸う」
「まじか。……おいで?」
今日はたくさん甘えていいよって思いで、胸をまくりあげた。
「吸っていいよ」
「涼さん、くそ」
子ども扱いされて不満げなくせに、俺の胸に飛び込んできた。
胸に顔を埋めて、――声にならない声を殺して。
すこしまだ埃臭い部屋の中、彼の押し殺した涙が流れていく。
後悔しても戻らない人たち。
後悔しても時間は戻らない。
悔やんで叫んでも、傷は深く心についた。
誰が悪いわけではない。皆、不器用だったから。
朝登くんだけが悪いわけではない。
「大丈夫だよ。朝登くん、今は俺にはちゃんと言葉をくれてる。大丈夫だからね」
「うん。……いや、はい」
「ぷぷぷ。どうする? ベッドでおっぱいすう?」
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