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第8話

「はい、笠置。辞令ー。」 いつもののんびりした声で、麻宮さんが俺を呼ぶ。 紙を受け取ると、はい皆、拍手ーと言って手を叩く。 周りも笑いながら、拍手をしてくれた。 「はぁ、課長昇進ですか。ありがとうございます。麻宮さんがプッシュしてくれたんですか。」 「そう。僕が君を馬車馬のように働かせるには、これしかないと思ってね。」 片目をつぶってウインクを見せ、余裕の笑みを見せる。 「じゃあ、今晩もご褒美で飲みに連れてってくださいっ」 皆も一緒に行きたいといったけど、相談したい事があるんですみませんと頭を下げる。 渋々といったように頷いたけど、麻宮さんの艶めいた笑顔は俺だけにしか解らない。

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