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第16話

和夢と手を繋いで家に帰った。 父さんは和夢の両親と酒盛りをしていた。 俺達はそれぞれにシャワーを浴びた…… 部屋には和夢。 和夢は黙って俺と手を繋いで隣りに座ってくれた。 俺は話した。 ミキは初恋の相手で好きすぎて、話したくて余計な事を言って傷つけたコト。 次の日からミキは不登校になって会えなかったコト。 ずっと好きだったコト。 また違う誰かを好きになって…… 傷つけてしまうかもと思うと上部だけの人付き合いになってしまっていたコト。 全部 全部 話した。 和夢は黙って話しを聞いてくれた。 「ミキちゃんだっけ?可愛いね? 慧のコト許してくれてたね?」 「あぁ。 ミキは可愛いし優しい。」 慧の言葉が胸に刺さる……。 「慧……俺はミキちゃんみたいに可愛い女の子じゃないけど 慧の隣りにいさせて欲しいよ?」 慧が大きな深呼吸をした。 振られるのか……? 「和夢、ありがとう。 ミキに幸せになれって言われた。 もういいかな……俺、恋人作っていいかな?」 あぁやっぱり振られるんだ。 「和夢……俺の恋人になってくれるか? お前といると安心するんだよ。 癒されるんだよ……。」 慧が抱きしめてくれた。 「いいの?俺、男だよ? ミキちゃんみたいに女の子じゃないよ?」 「お前がいい。 それに……ミキは男だぞ? 隣りのクラスにいたろ? ……美月だよ。 それに俺は女は苦手だ。」 「え〜っ!!」 モノすごく大きな声を出してしまった。 「和夢、俺を幸せにしくれるか?」 嬉しくて 嬉しくて 何度も頷いた。 泣く俺を抱きしめてベッドに寝かせてくれる慧。 ずっと髪を撫でてくれた。 「やっと ミキから卒業出来た……。 ありがとう和夢。」 その夜、慧は 蕩ける大人のキスを何度もしてくれた。 慧の笑顔は 久しぶりに見た偽りのないモノだった。 二人で抱き合って眠りについた。 『慧……卒業おめでとう』 〜fin〜

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