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第11話
グチュ・・チュ・・チュク・・・・
右手で竿を緩く擦りあげながら、淡いピンク色をした亀頭に弧を描くように舌を這わせる。
俺が刺激を与える度にビクンと震える姿がたまらなくて・・・
男のなんて気持ち悪いだけのハズなのに、伊藤先輩のモノだと思うと止まらなかった。
「うっ・・・・あ・・・はぁ・・・も、離して・・・・で、そ・・・」
俺の頭を緩く押し返す先輩の掌が俺の髪をくしゃくしゃとかき混ぜる。
その力はとても弱くて、快感で震える先輩の目は虚ろだった。
蛍光灯の下、ウルウルとした瞳に光が反射して、すごく色っぽくて。
このまま俺だけの物にして閉じ込めてしまいたい、なんて思ってしまって。
「出して、いいですよ。先輩・・溜まってたんですか?」
少し意地悪くそう言うと、先輩は俺から顔を背けるように
ソファーに顔を押しつけてフルフルと首を振った。
「ちが・・・っ・・・こ、なこと・・・された事ないから・・・ッ・・・」
は・・・・嘘、だろ・・・?
26歳の男が、しかもこんなに容姿が良くて・・童貞・・・?
いや、フェラされた事が無いだけか?
色んな疑問が頭を過るけれど、俺ももう限界で・・・
自分のズボンを取り去ると、上半身を先輩に預けて唾液とカウパーで滑りが良くなった
先輩のアソコと俺のモノを一緒に握り込み、上下に扱きはじめる。
俺のモノに先輩のカウパーを塗りこむように最初はゆっくりと、徐々に強く扱いていく。
「あっあっ・・もう、それ、う・・・アアッ・・・・・」
「はっ、ハァ・・」
先輩が限界を訴える為に口を開けた隙きを突いて、舌をねじ込んで口内を犯す。
「ふっぐ・・・プハッ・・・・息、できな・・・んうッ・・!」
先輩の中ははなんだか甘くて・・・
舌で翻弄するつもりが、ガキみたいにがむしゃらにガッツく事しかできなくて、
まるで、俺が囚われているみたいだった。
気づいた時には下半身も、上半身もお互いの体液でトロトロに溶け合っていて・・・
「は、はっ・・・ヤバい・・・俺と先輩の、溶けそう・・・・」
荒くなる息に合わせて、手の動きも早まる。
グチュ、グチュ・・ニチャッ・・・・
静かな部屋に、俺と先輩の荒い息遣いと卑猥な音だけが響く。
「先輩、気持ち・・いいですか・・?」
しゃべると唇同士が触れ合う程の至近距離。
触れる度先輩の唇を求めてしまう。
「ひ、らぎくっ・・・・うっ、あ・・・もう・・・ああっ・・・!!!!」
脈打つようにビクンビクンと震える先輩のアソコに俺のモノも刺激される。
先輩の精液が手の中に広がり、ヌチュヌチュといやらしい音が響く。
射精している時のその顔はあまりにも扇情的で・・
「んっ・・・・う・・・・」
先輩の肩に顔を埋めてその香りに包み込まれながら俺も果てた。
こんなに気持ち良いのは初めてでーーー
「はっ・・・・はっ・・・・・・先輩、続き・・・」
先輩に入れたい、そう言おうと体を起こすと、先輩はぐったりとしていて・・
嘘だろ・・・これからなのに寝ちまった・・・
意識の飛んだ先輩をじっと見下ろす。
想像通りの柔らかい髪は少し乱れていて、長い睫毛にすっと高い鼻、
良く見ると頬にはうっすらと涙の後がついていて。
女に見える訳じゃない、しっかりと男なのに不思議と色気のある顔・・・。
・・・・・・目を閉じていても美しい・・・・・
ふに、と親指で下唇を押す。
少し開いた口から見える赤い舌に誘われるように、もう一度口づけをした。
佐々先輩には、きっと見せていないこの姿。
俺だけのモノだと思うとゾクゾクした。
浴室から濡らしたタオルを持ってきて、先輩の体を綺麗に整えると
裸のまま寝室のベッドに横たわらせて布団を掛けてやった。
そして、少し冷静になった頭で考える。
俺、こんな事してしまって・・・・
最後までやらなくてまだ良かったのかもしれない。
いや、ここまでやったら一緒か?
どうすんの、これから・・・・・。
一夜限りの女でもない、これから付き合っていかないといけない職場の先輩。
しかも男・・・・
それでも、あの瞬間は欲しいと思ってしまった。
それは本当だ。
風呂を借りて、ベッドで眠る先輩を見下ろす。
少し眉間にシワ。悪い夢でも見てんのか・・・・俺の夢かも。
親指で、スリ・・と眉間を撫でてみると・・・
「ん・・・・ふ・・・」
少し身を捩る先輩は、まるで子供みたいで。
「可愛い・・」思わず口からこぼれる言葉。
愛おしい気持ちが溢れる。
今までの俺は、いつも遊びで一瞬の欲が満たされたら良くて。
一人の人をこんなに欲しいと思った事がなくて、どうしたらいいのか分からない。
ごちゃごちゃ考えるのは症に合わない。
なるようになれ!だ。
伊藤先輩の体温で暖まった布団に潜り込んで、無防備に横たわる
目の前の滑らかな肌に抱きつく。
先輩の頭を右腕にのせ、左手を腰に回して・・・
そのまま俺も深い眠りに落ちたのだった。
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