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第82話 花より男子×男子
「すごい。桜の中にいるみたい。」
そうだろ? ここは俺の取って置きの花見場所、滑り台のてっぺん。すぐ隣に生えている桜の枝がちょうどいい具合に伸びていて、目線の高さに花があって、本当に桜の花に囲まれてるみたいなんだ。これを味わわせたくて、夜の公園に誘った。
良い雰囲気で和んでいたら「団子とか桜餅とか食べたくなってきた。好物なんだよね。」なんて言い出すこいつ。色気ねえなと思った瞬間、唇に熱を感じた。頭が真っ白になった俺に聞こえてきたのは「代わりにこれで我満する。こっちも好きだから。」なんて声。
「な、何すんだよっ!」
「誘ったのはそっち。」
「俺が誘ったのは花見!」
「そんなに嫌だったら、今の返して。」
街灯に照らされて、夜桜もこいつも逆光に見える。それがなんだか幻想的で、まるで桜の精みたいだった。ぼんやり浮かぶその薄紅色の唇に、今度は自分から唇を押しあてた。
またこいつの声が響く。「これは返品ってこと? それとも。」
俺だって団子も桜餅も好きだよ。……けど、それよりも、好きなんだよ。
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Twitter上での、蜜花風(みかぷ)さん(@mikapusan)との「花見に行ったら男子CPばかり目が行った」という会話から、それをテーマにしたSS作りをしよう!!となって書きました(笑)
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