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第3話
「よし。じゃあ、今日はこのくらいにしておこうか。よく頑張ったね。」
そう言って、白衣の男は僕を笑顔で抱きしめる。
「ごめんね、痛かったよね。でも、もう電池も入れ直してあげたから大丈夫だよ。」
そう言って、白衣の男は僕の頭を撫でる。
…なんで、そんなに優しくするの?
さっきまで、酷いことしてたじゃないか。
…なのに……なんで…………?
「ごめんね。僕は、君が大好きなんだ。だからこそ、君をカスタマイズしたい。それに、人間だった頃の君を思い出したいから、痛みも与える。痛みを与えたら、もしかしたら僕のことも思い出してくれるかな…って思ってさ。……なんて言っても、わかんないか。」
白衣の男はそう言って、悲しそうに微笑んだ。
「君は、今日の事をまた忘れる。…僕はね、毎日君に同じ話をしているんだ。…………いつか、僕を思い出してほしいな………ね?◯◯…」
僕の名前____
そうだ…そうだ……
思い出した…
「ボ……クハ…………キミガ…スキ……ナン_______」
そこで突然僕の目の前は真っ暗になった。
Chiku Taku…Chiku Taku…
あ、また聞こえてきた。
毎日、ある時間になると聞こえてくる音……
僕は…誰…………??
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