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第138話
はむっと横溝先輩にキスをし、夢中に求めてしまった。
俺はみっともなくスンスンと泣いていて、男らしくない姿をさらしていたに違いない。
だってだって何度もキスを重ね合いながら、先輩が囁いてくれた言葉は俺を有頂天するのに十分だった。
あああああ!!!
幻聴ではない!
絶対絶対言ってくれた!
小さく消えそうに、何度もその言葉を囁き合った…もう良く分からないうちに俺も先輩も絶頂を迎えお互いに射精する。
温かい精液が手に纏わりつき、籠った独特の匂いが鼻を衝く。
「は…は…」
「はぁ……はぁ…もう限界…心臓たりない…先輩もっかい言ってくらさい…」
「は…は……こ、断る…」
「だーーーーー!!録音しておけばよかった!もう一度好きって言ってくださいよ!!」
「……嫌だね」
息切れしながら先輩にスリスリと頬ずりするけど、顔がにやけて仕方がなかった。
にやけながらキスをすると、ふくれっ面をしながらもされるがままになっている先輩にキュンキュンする。
汚れたところを綺麗にしてから、再び先輩を抱きしめるんだけど…俺の背中に先輩の手が回されていて、ぎゅってしてくれて…それだけでマジ幸せ。
「先輩がちゃんと気持ちよくエッチできるまで俺ちゃんと待ちますから」
「……ん…」
「いつでもどこでもOKなんで。ゆっくりしましょうね」
「……ん」
先輩の黒髪を優しく撫でると、気持ちよさそうに瞳を閉じた。
か…可愛すぎでしょう!横溝先輩!!
当然のように同じベッドに入り、横になってからも俺は先輩の髪を撫でる。
…
先輩が眠るまで…
ちゃんと眠りにつくまで続けた。
普段神経質そうな顔とは違い、優しそうな可愛い寝顔に愛おしさが込み上げてくる。
眉間に皺よってって迷惑そうな顔をするときもあるけど…その実態は!寂しがり屋のかまちょ君だった…ヤバいこれヤバい。
朝、先輩が起きたらなんて声をかけよう。
キスしてもいいかな?
つか俺浮かれすぎだから、ちょっと落ち着け!
先輩に呆れられてしまうぞ…!あああ!だけど好きっ!
横でスヤスヤと眠る先輩を眺めながら一人悶え続けた。
起こさないようにそっと抱きしめ、飽きるまで…意識が遠のくまでその温もりを愛しんだ。
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