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第1話 はじまり。
少し暗い…
誰もいない部屋…
頑張って目をしかめて見る。
奥の大きな窓は全開で、美しい白いレースカーテンがヒラヒラと靡いていた。
ベランダから差し込む昼下がりの日の光は明るく暖かい。
…失礼…しまーす…
そう心の中で呟きながら、そっと音をたてずにその部屋の中へ入る…
応接室…かな?
目指すは柔らかな日差し差し込むベランダだ。
窓側に大きめなデスクとチェアが設置してあり、それに向かって置かれている重厚感ある真っ黒なソファーが存在感があった。
どれも質の良い高級そうな家具ばかりだ…さすがと言うかなんというか。
遠目からベランダの済みに、お目当てらしき物が日差しを浴び光っているのが確認できホッとする。
…あ、多分あれだ…そう思い奥へ向かおうとしたその瞬間、
ふいに右手を掴まれた。
え?
そのままグイっと引っ張られて体勢が崩れる。
わ、ちょ…っ!!!
倒れる!と、思った…のに…倒れず…
誰かに抱きしめらた…
ひ、人がいたっ!
そして唇に触れる温かいもの…
んんんっ!!!!?
なんとソファーに寝ていただろう男に抱きしめられ、キスをされてる!
訳がわからずパニクり気付くと同時に、ヌルリと熱い舌が口内に侵入し僕の舌に絡みつく。
い、息が…っ!
「ん…っふ…!」
ぬちゃりと今まで聞いたことがない感触と響きがゾクリと全身を震えさせた。
な、な、な、何…すっっーーーー!!!!
頭に血が登り我にかえる。体制を変えて覆い被さってくる男の股間を思い切り膝蹴りした。
「っい…!!!」
男が悶えてる隙に払いのけ足早にその場から…立ち去る。
な、
な、
何だあぁぁぁぁ!!!!!!!!!
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