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Maybe…?

好き…先輩が…おれを…? 「え……よ、よく聞こえなかったッス…」 「………」 ノア先輩は露骨に嫌そうな顔をした お、おれの聞き間違いかもしれないッス 「なんどでも言うよ?好きだよって、俺は若葉ちゃんが好きなんだよ……多分…」 「多分!?」 先輩は嫌そうな顔のまま言った 嫌そうな顔で言う事じゃないッス!! 「ほ、ほんとにッスか……?」 「………Maybe…」 「英語でわからなくするのズルいッス!!」 「うるさい!!わかんないの!!考えたけどわかんないんだから仕方ないでしょ!!」 「逆ギレッス!?」 ノア先輩が言い返してくるから売り言葉に買い言葉で言い返してた だ、だってノア先輩が言いかえして来るんスもん!! でもしばらくして言うこともなくなって疲れてどちらからともなく静かになった じろっと先輩がこっちを睨んでくる 大人げないッス 「で、どうなの?俺一応告白したんだけど?」 「え!?…あ……あぁ…」 先輩はまたじっとおれを見下ろしてる 告白された…先輩に…多分って言われたけど…… じーっと先輩を見つめ返す 別にノア先輩が嫌いってわけじゃないッス 大人げないけど優しいしいい人だと思うッス でも…… 「わかんないッス!!」 「はぁ?」 「めいびーッス!!めいびー!!」 「発音!!」 「いたいッス!!」 先輩にほっぺをつねられる 先輩はむすっとしていた 「じゃあ…どうすんの…」 「お友達からでお願いするッス!!」 「……なんかそれ若葉ちゃんに言われるとむかつく…」 「理不尽ッス!!」 ベーッと舌を出す先輩に食って掛かろうとしたら先輩がおれのおでこを長い指ででこぴんした 眉毛を下げてなんだかちょっぴりいつもより優しそうに笑った 「でもまぁ…いいよ、それで…」 「!!」 「これから『も』よろしくね、若葉ちゃん」 「ウス!!よろしくお願いしますッス!!」 がばっとノア先輩に頭を下げる なんだかちょっとだけいい気分でほわほわした感じだった その日はその後先輩と花火を見ていつもよりちょっとだけ優しいノア先輩に家まで送ってもらって帰った

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