遊園地女装デートからしばらくたったある日… 「………」 珍しくSHRの5分前になっても開いたままの隣の席を眺める まな…遅刻やろか？めずらし… ねぇねぇとオレの周りで甘えた声を出す女子に適当な返事を返しながらぼんやりそんな事を思ってたらとうとう先生が教室に入って来てしまった オレの知っとる限り、まなは腹痛(主にオレのせいで)や腰痛(主にオレのせいで)以外で休んだり遅刻したりしたことがなかったはずや… ますますよくわからず首を捻った 結局そのまままなが来ることなくSHRが始まった まなのことが気になって久々にちゃんと先生の話なんて聞いた気がする すると先生は最後の最後にぐるっと教室を見回して口を開いた 「休みは…杉田か…さっき風邪を引いたと連絡があったから教科の先生にもそう伝えてください」 「………」 「じゃあ…これで朝のSHRを…」 もうそこからは先生がなんていっとったか覚えとらん 風邪？まなが？一昨日まで元気やったやん？ 首をかしげながら一昨日の事を思いだしてみる 細かく思い出してみると少し心当たりがあった いつも通りまながオレの家に来て…いつもみたいなことする流れになったんやけど…そう言えばまなお風呂入った後眠いからて髪乾かさんと寝とったっけ？ 髪からぽたぽた水をしたたらせながら前後に揺れとったまなの姿を思い出す しかも寝る時も恥ずかしがってあまりくっつかんから布団からはみ出しとったし… …………… そこまで思い返してまなの風邪に納得してから少しムッとした でもなんでオレに言わないんや… スマホを確認してみるけどまなからメールや電話が来た履歴は無かった それがよりオレをムッとさせた 「ねぇ銀くん？教室移動だよ～？行こうよ～」 「………」 SHRが始まる前もオレに絡みに来よった女子がまた寄ってくる ついこの間オレに正式な彼女(女装したまなやけど)がいることが判明して、学校中にその話が広がったはずやのになぜかここ最近しつこく絡んでくる女が増えた 彼女がいるみたいな噂(本当やけど)が広まったから、あえてあてつけのようにそうしたり、周りから自分がオレの彼女であるかのように見られたくてそうしてたり、早いうちにオレとその『彼女』を別れさせるためにあえてくっついて見せつけてるんだろうってまなは言っとった… そう言ったまなはちょっと拗ねてかわいらしかった… そんな事を思いながら立ち上がる 確かにそろそろ移動しないとまずい とにかく…放課後まなん家いってみよかな…