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5月の転校生
「苗字はほっぺたの頬に付属の付でほおづき、名前は銀色の銀でぎん、転校生、仲良くしてや~」
高2の5月の初め
そんな中途半端な時期にやってきた転校生
長身細身でピンクの髪に関西弁、顔は整ってた
そんなことをボーっと思いながら俺、杉田学は一番後ろの窓際から2列目の席でそいつを見ていた
「じゃあ、頬付は杉田の隣な、一番後ろの一番窓際だ
仲良くやれよ」
俺の隣にしか誰かが座れるスペースはないからそうなるだろうな~とは思ってた
「よろしく~」
そいつはへらへらと笑いながら俺の隣に座った
「おーよろしくなー」
俺も適当に返事を返した
仲良くなれたらいいな~なんてそれこそ適当な事を考えて
昼休み
そいつはやっぱり囲まれてた
まぁ転校生の宿命ってやつですよね
その上頬付はイケメンだったので女子が放っておくわけがないと
「頬付くんって前はどこに住んでたの?」
「関西の方」
「銀家どの辺?」
「あっちら辺かなぁ~」
「頬付部活とかどうすんの?」
「まだ決めとらんなぁ~」
「銀君彼女とかはぁ~?」
「ん~ナイショ」
どうやらもう溶け込んでるらしい
頬付も笑顔で受け応えてるし人当たりのいい奴なんだろう
なんか結構アバウトな回答してるけど…
隣の席で友達と飯を食ってる俺には嫌でも聞こえてくる
「なぁ、せっかくだし今日放課後みんなで頬付の歓迎会やろうぜ」
誰かが言った意見にみんなが賛同していく
「ねぇ学!!おれらも行こうよ!!」
一緒に飯を食ってた幼馴染が言う
まぁ出ない理由もないしせっかくの転校生君とも仲良くなっておきたい、席隣だし
俺は行くことにした
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