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健斗くんの話 学さん

「……………学さん…男だったなんて…」 「え?女だと思ってたの?」 「………言ってくださいよ……」 「あれ?言わなかった?」 ビックリした…というかなんかもう脱力しまくった… 学って名前だから初めは男かと思った…でも頬付先輩が好きだって言うし…頬付先輩もかわいいとか言うし…… 勝手にオレが勘違いしてやきもち焼いてただけじゃん… オレは紺庄先輩に連れ込まれてなぜか2-3で飯を食っている っていうか男… 「ククッ…」 「………頬付先輩わざと言わなかったんスか」 頬付先輩はオレが座って隣に座ってるのが学さんだと気づいた時からずっと笑い続けてる …オレやっぱりこの人苦手だ… 「え、なに?銀と健斗もう吉田くんの事知ってるの?」 「え、っく…知らん知らん…ックク」 「なんで銀そんな笑ってんの…」 「え…や、別に…ック」 ホントたち悪い… 学さんはなんか普通のいい人だった…頬付先輩の彼女(彼氏だったけど)って聞いてたからもっとなんか大人で一枚上手なそういう感じかと思ってた… 最近ずっと紺庄先輩と頬付先輩に振り回されてばかりだったからそれが普通なのかと思って戸惑ってたオレにとってはとてもありがたい感じの人だった 始めに「2年の教室で食べるなんて気まずいよね」って声かけてくれたし… さっきもオレが今日ちょっと意地悪で入れたにんじんとピーマンを嫌がる紺庄先輩もすぐ説き伏せてたし… 多分いままで紺庄先輩と頬付先輩に苦労させられてきたんだろうな… 「えっと学さんは…頬付先輩と付きあ…」 「うわぁあああああ!!!」 「!?」 突然学さんが顔を真っ赤にして大声出して立ち上がった なに!? 周りの注目も集めてしまって学さんが照れくさそうに座る 「け、健斗!!言ったの!?」 「え?あ、うん、ゴメン」 「…っく、ックク…っふ…」 どうやら学さんは頬付先輩とのことを隠してるらしい まぁ普通そうだよな…オレも進んで言おうとは思わないし…まぁ言うような人もいないけど… 学さんずっと顔真っ赤にしてうつむいてる…悪いことしたな… 「……あの、スンマセン…」 「…や、大丈夫…」 「…っぶ…っく…ふふふ…」 「笑うなよ!!」 「いてて…」 学さんは顔を真っ赤にして頬付先輩を叩いてる ちょっと痛そう… でも仲良いんだなって感じだった 「良かったね」 「はい?」 「二人ともいい人でしょ?」 「……学さんはそうですね」 「おれの幼馴染だからね!!」 先輩が笑顔で自分もつられて笑った 確かに久々にすごく楽しかった気がする… 「かわええかわええ」 「だからやめろってば!!」 オレ先輩好きになってよかったなぁ~ 【健斗くんの話 おわり】

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