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準決勝

「いや~疲れた疲れた~ええ仕事したわ~」 「頬付先輩ゴール下に立ってただけじゃないですか…」 「そんなことないで?ちゃーんとシュートしとったで?」 バスケのユニフォームをぱたぱたさせながら頬付先輩が戻ってきた 周りの女の子たちがタオルや水なんかを持ってくるのをあの笑顔ですり抜けてくる 頬付先輩の青Aはどの試合も大量得点差で勝ち進んでいる バスケ部の先輩から受け取ったボールを頬付先輩がシュートするのを繰り返しているうちにどんどん点差が開いていった 「猛の方も勝っとるやん?」 「………嫌味ですか?」 「単純に褒めとるんやけど?」 オレの赤Bもあぶなげなく勝ち進んでいた 頬付先輩のとこほどじゃあないけれど順調に 試合中に紺庄先輩がコート脇でずっと応援してくれて、実はそれでシュートを外したりもしたけれど内緒だ 紺庄先輩がてとてと走って戻ってきて腕に抱えてたスポーツドリンクをオレと頬付先輩に渡してくれる 「二人ともお疲れ!!がんばってね!!」 「ありがとうございます」 「学はこないのかなぁ…」 「………」 紺庄先輩は自分用に買ってきたらしい紙パックのイチゴミルクをんくんく飲みながら言った ……やっぱりかわいい…なんかこう…小動物が食べ物食べてる時とかみたいな… 「学、足良くなかったの?」 紺庄先輩が不安そうに頬付先輩に尋ねた それでもイチゴミルクのストローから口を離さない 好きなんだなぁ… 「う~ん?足っちゅうか腰?」 「……?腰?腰も打ったの?」 「打ったっちゅうか打ち付けられたっちゅうかオレが打ち付けたっちゅうか……」 「………?」 「もう頬付先輩やめてください…」 「………?」 はぁっとため息が出る 幸い紺庄先輩はわかってないから良いけれど… そうしてるとまたブーっとブザーが鳴った 今度はオレの番だ 「あ、猛!!頑張ってね!!また応援するね!!」 紺庄先輩がぽんぽんをゆらゆらさせて応援してくれる ………かわいいなぁ… 思わず抱きしめたくなるのをこらえる 頭撫でようと思ったけど頬付先輩がにやにや笑ってこっちを見てるのでやめた 「これ勝ったら決勝かぁ~オレとやなぁ…頑張ってな?」 「………努めます…」 また頬付先輩はにんまりして言った この人勝つ自信あるんだろうな~ そう思うと腹が立つ………勝てるとは思わないけど… そんな先輩たちを見つつコートの中に入った

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