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会いたい

ハッと目を覚ますと俺はさっきまでいた俺の部屋でさっきと同じ通りにベットで横になって枕に顔を押し付けていた のっそりと体を起こしてあたりを見回して見る それなりに寝てたみたいでもう夕方になっていた ふるふると頭を揺すって眠気を飛ばす 今回は銀との夢だったけど悲しくなかった むしろちょっとだけ元気が出て幸せな気分だった 大きく息を吸い込んで自分に活を入れる そうだ…銀を諦めるなんてしたくない…一回ぐらいうまくいかなかったから諦めるなんてそんなのしたくない…… ベットから這い出して一昨日から放置してたスマホを充電器につないで電源を入れる しつこいぐらい何度も銀に会いに行ってそれで嫌われたらその時諦めたらいいんだ… 「嫌われる」ってことを考えるとさすがに怖くて寂しかったけどそれでも気持ちが揺らいだりはしなかった あのときだってそうだった…もし銀が俺より女の子の方が好きでも…それでも気持ちを使えるって必死だったんだ… もう一度ちゃんと銀に会わないと…会ってあの時みたいにちゃんと好きって言わないと… スマホの画面がやっと開けるといくつかの不在着信とメールが届いてた ほとんどは健斗か志波からのものだった そんな中に一つだけ別の人から届いたメールがあった つい数分前に届いたメールで送信者のところには『頬付銀』って書いてあった 大急ぎでメールを開くとそこには一言だけ 『会いたい』 って書いてた それを見るなりスマホと財布を握りしめ着替えもそこそこに家から飛び出した コートも羽織ってなくて寒かったけどそんな事気にせずに走った 銀が…銀が待ってる…銀が会いたいって言ってくれてる… それだけを考えて必死に駅までの道を走った きっと言う…絶対に銀に好きだっていう…

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