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停滞期

「……学さんなんでそんな髪ぐしゃぐしゃなんスか………」 「………知らない…」 帰りの電車の中で猛にそう聞かれたけどオレは不機嫌だった 「も~まな照れ屋やなぁ~」 「………死ね…」 「死ね!?」 結局あの後も銀が調子に乗るから今日は猛と健斗も一緒に勉強することにした 健斗も猛のおかげで成績が伸びてるらしい ………猛後輩だけど…… もうすぐテストも近いし本腰入れて勉強しないと…!! 健斗は俺の隣に立つ猛の足の間に立って猛に寄りかかりながら単語帳を睨んでブツブツ言ってた ホントにこいつら兄弟みたいだな…… 「なぁ帰りコンビニよろや、腹減ったわ…」 「餓え死ね…」 「また!?」 もう銀はホント知らん… 「まな~謝ったやんかぁ~」 「知らない…」 「まなぁ~」 銀が髪をいじって来たけど無視して我慢した 「オレのおかげで100点取れたんやろ~」 「…………」 「ほら、せやろ?」 「……知らない…」 確かに感謝してるけどそれとこれとは別だった 最近なんだかんだ流されてヤってたし甘くし過ぎた… そんなこと思ってたらふわっと左の頬に何か当たった ピンク色の毛の塊がふわふわして肩をぐりぐりと圧迫してる 「まな~」 「やめろ!!電車だぞ!!」 「ヤダ」 「やめろ!!」 手で押しても銀は動こうとしなかった 「まなが冷たい…停滞期…」 「はぁ!?」 「それか反抗期…あ、それはいつもか…」 「………」 もうほっとこう… 銀がまだブーブーいうのはほっといた これで構ったらまた調子乗るし…って言うか別にこいつホントに思って言ってないし…… そんなとき猛がとんでもないことを言った 「テストの後の補習引っ掛かったら二週間放課後と週末も学校行かないといけませんから辛いですもんね」 「え」 「え?」 「えっ!?」 「え…?」 単語帳を見てた健斗まで顔を上げて猛を見た 猛は俺たちの反応にビックリしてた ……補習…?

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