あー…目がしょぼしょぼする… 昨日志波は丁寧にいろいろ教えてくれた あんなことはあったけど根はやっぱり悪いやつじゃないのかもしれない まぁ一緒にいると銀は嫌そうな顔するけど… それで志波が言った通りにしてきた…………けど…… 「キャァァァァァァァァ!!!銀くーん!!!」 「ノアくーん私のも貰ってー!!!」 「猛くーん!!」 「ちょっと!!見えないでしょ!!」 「やんっ!!押さないでよ!!」 「順番守りなさいよ!!!」 …………銀に近付けない…… 朝から校舎の前では銀と志波と猛の周りに女子が大量に群がっていた 主に銀と志波…さらに主に銀… こうして見ると猛のとこの規模が小さく見えるから不思議だった ココにいない女子いないんじゃないか…？ 女子はみんなきれいにラッピングされた箱や包み紙を持っててソレの中にチョコレートが入ってるのは容易に想像できた ………みんな…手作りなのかな…… バックの中の中にあるまがったリボンの袋をちらっと見た …………… ちょっとだけ気持ちが暗くなる… 「あ!!学!!Happy Valentine!!」 「!?」 そうやって落ち込んで立ち尽くしてたらいつの間にか正面に志波が立っていて女子の壁の中心にいた 志波は腕に何個も大きな紙袋を下げて全部がパンパンになるまでいろんなチョコレートが詰め込まれていた 胸元に何かを押し付けられる !? 周りの女子も俺と同じように口をあんぐり開けて目を大きく見開いてる、キャーっと悲鳴を上げてる子までいた 俺の手の中には小柄で赤い高級そうな箱があった ………ホントにくれるなんて…… 「I　Love You♥じゃ、学もがんばってね」 志波はそう言ってキザっぽくウィンクして投げキスしながら志波は女子の大群を引き連れて颯爽と去っていった 女子の大群の中には俺の横を通るときにじろっと睨んで来たりチッと舌うちなんかしてくる子もいた 呆然とその場に立ち尽くす 銀と猛はまだ校舎前で囲まれてた …………バレンタインって怖い……