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やっぱり不安なの
ぐすぐすと鼻をすすりながら服の裾を握る
いざ言うとなるとやっぱり気が引けてしまった
背中をゆっくり摩られて落ち着いてくる
銀が俺にほらって言うように話の先を促した
「………あのね…別に知るつもりはなかったんだけど…」
「うん?」
銀がまだ俺の背中をさすりながら言う
さすがにここまで来てなんでもないというわけにはいかない…
「あの…さ……静香さんってだれ…?」
「…………」
ぴたっと銀の動きが止まって明らかに銀が動揺した
珍しい…
「……まなそれ誰から聞いたん…?」
「………前銀が昼寝した時に寝言で……」
「……………」
銀が黙るのが怖かった
銀は何かを考えてる
「銀…優しい声で呼んでた…から…不安だ、った…」
「…………」
「銀、の…家族かと思った、けど…俺、銀のことあんまり知らないなって…悲しくなって…」
「…………」
「…………」
また目からぽろぽろと涙がこぼれる
何か言ってよ…
「……や、だ…」
「…?」
「お、れ…がんばる、から…銀がした、か、った…ら…毎日、えっち、する…し…もっと、上手に、なる、ように…がんばる…からぁ…もう、えっちやだ…とか、明日がっこうある、から…とか言わないからぁ…」
「…………」
「だから…や、だ…」
「…………」
ぎゅうっと銀の服の裾を握りしめる
正直フラれるんじゃないかと思った…
銀は気にしないって何度も言ったけどやっぱり男だし…別に容姿が整ってるわけでもエッチが上手いわけでもないし…かわいくないし…
銀ならもっと可愛くてえっちもうまいそんな人いっぱい見つけられるだろうし…
そうなったらもう俺…いらない…し…
完全にそう思い込んで目の前が真っ暗になって覚悟を決めた時、ぎゅっとあったかいものに包まれて唇をふさがれた
いい匂いがして顔に髪の毛があたってくすぐったい…
「んっ…っふ、ぁ…」
「…………」
「ふぁ…あ…あぅ…ぎ…んむ…ぅ…」
喋ろうとすると舌を絡め取って話せないようにされる
ちゅぷちゅぷとねっとり舌を絡められた
「んん…んんん…」
「………」
苦しくなってきたけどまだ離れてくれない
思わず銀の胸を叩きそうになった
さっき我慢するって…えっちだって嫌がらないって言ったばっかりじゃん…!!
ぎゅうぅっと手を握って苦しいのも耐えようとした
生理現象で涙がこぼれる
我慢…我慢…!!
でもそのうち息もできないくらい苦しくなってきて意識が朦朧としてきた
「…ア…あぅ………ぷぁ…」
「………」
銀がやっと離してくれたころにはくてくてになって銀の顔がぼんやりして見えた
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